Ethernetケーブルを作ろう!(3)
2.4. 銅線の長さを揃える
配列が終わったら、次は銅線の長さを揃えないといけません。 配列が終わり、銅線の長さを揃える前の様子を図7に示します。
銅線の長さを揃えるためには、切る場所をめないといけません。 切った後の銅線はRJ45端子に挿入されます。 そのため、切る位置は挿入に適した長さである必要があります。 その長さの目安としては、図8のように実際に挿入する端子を横に置いてみるのが簡単です。 ポイントとしては、以下の2つがあります。
- 1)銅線の先端がRJ45端子の先端まで届くこと
- 2)RJ45端子下側の圧着される部分が被覆に食い込む位置であること
以上の事柄を念頭に、長さを揃えるためにニッパーで銅線を切断します。 切断を図9に示します。
図10に切断後の様子を示します。 切断後は、切断前に比べて銅線の長さが揃います。 また、各長さはRJ45に挿入するのに適した長さになります。
2.5. RJ45に銅線を入れる
銅線の長さを揃えた後は、銅線をRJ45端子に入れなければなりません。 図11に銅線を入れる方向を示します。 ストレートの場合、RJ45端子の金属部分が上にしてオレンジが左に来るようにします。
イーサネットケーブル作成時に良くやってしまうミスの一つとして、銅線を十分に入れていないというミスがあります。 このミスを未然に防ぐために、圧着前に銅線の入り具合を確認する事をお勧めいたします。 図12の失敗例のように銅線が十分入っていない状態では、RJ45端子内の金属の刃が銅線に喰い込まず通信が出来ません。 図13は成功例です。図13の銅線は十分奥まで入っています。
図12、13の見方だと端の2つのケーブルが十分に入っているかだけしか見られません。 そのため、側面からの確認と同時に正面からの確認する事をお勧め致します。 図14に正面から見た失敗例を、図15に成功例をそれぞれ示します。 成功例では、くっきりと銅線の中心が見えますが、失敗例ではぼんやりとしか見えません。 ぼんやりとしか銅線が見えないような状態で圧着をしてしまうと不具合を発生させてしまうEthernetケーブルが出来上がってしまうので、注意しましょう。 全く通信が出来ないEthernetケーブルが出来てしまった場合には失敗だと即座にわかるので良いのですが、たまに通信が出来てしまうケーブルが出来上がってしまうと後々混乱を発生させる事があるので、注意したいところです。
2.6. 圧着する
最後に、RJ45端子とケーブルを圧着します。 圧着は2箇所に対して行われます。 銅線の先とRJ45端子内の刃と、被覆の固定する部分です。 圧着が終了すれば、ケーブルの完成です。
3. 作成したケーブルをテストする
最後に、出来上がったEthernetケーブルをテストしなければなりません。 動作テストのためにケーブルテスタがあれば良いのですが、実際に使って見て通信ができるかどうかを試すのが最も簡単だと思います。 但し、仕事などでケーブルを作成し、ケーブルの品質が求められる場合には必ずケーブルテスタを利用してください。
最後に
ここでは、Ethernetケーブルの自作方法を解説してみました。 この文章を読んで「作ってみたい」という意識が沸々と芽生えて頂ければ幸です。
工具/材料
ラチェット機構があるので、ケーブルをかしめる際に、きちんとかしめるとカチッと音がします。 中途半端でかしめられている場合には、手元がラチェットにより固定されますので、誤って何度もかしめてコネクタ部分を破損させることを防ぎます。 |
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