Ethernetケーブルを作ろう!(2)
2.2. 銅線のよじりをほぐす
UTPの銅線は、原色とその原色に白の入った縞模様という2本ずつでよじってあります。 UTP内には、よじってある銅線が4組入っています。 被覆を取り除く作業が終了したら、よじってある銅線を真っ直ぐにします。 これは、銅線を並び替えてRJ45のコネクタに挿入するための準備作業です。 よじりを取り除く前と後を図2に示します。図2のよじりを取った方の銅線はまだ整列していない状態です。
2.3. 銅線を整列する
次はよじりを取った銅線を並び替えないといけません。 ケーブルの用途に応じて並べ方は以下の2通りあります。
- 1)ストレート
- 2)クロス
ストレートケーブルは、HUB/スイッチ/ルータとコンピュータを接続するときに利用します。 会社や家で利用しているEthernetケーブル(LANケーブル)のほとんどはこのストレートケーブルです。 ストレートケーブルは両端の銅線の配列が同じです。 そのため、一方の銅線から入った信号は他方の同じ位置から出力されます。 例えば、一方のRJ45の一番左側から入った信号は、他方のRJ45の一番左から出力されます。
クロスケーブルは、コンピュータとコンピュータ同士を接続する場合や、ルータ同士、スイッチ同士を接続する場合に利用します。 クロスケーブルはストレートケーブルと違い、片方の銅線の配線が送受信で逆の配線になっています。 配線が逆にしなくてはならない理由の例として、糸電話を利用して説明します。 図3の糸電話はストレート、図4の糸電話はクロスの例です。 図3の方では、両方とも同一の糸電話に対して話し掛けているため、通話が出来ません。 図4の方では、話す糸電話と聞く糸電話が逆になっているので、通話が出来ます。 この例と同様にコンピュータ同士も話す銅線と受ける銅線を逆にしないと通信が出来ません。
ストレートケーブルがHUBやスイッチと通信出来るのは、HUBやスイッチ側で送信用の銅線と受信用の銅線をクロスしてあるからです。 HUBやスイッチにはアップリンクポートというのがありますが、上位のHUBやスイッチの配線をクロスしてあるポートと繋ぐためにあえてストレート配線にしてあるポートです。 最近は、クロスとストレートを自動的に判別して切り替えるポートを持つスイッチもあります。
2.3.1. ストレートケーブルを作成する
まず、一般的に一番利用頻度が多いと思われるストレートケーブル用の銅線並べ替え方法を説明します。 図5がストレートケーブルの配線を示したものです。 左と右の色が両端でのRJ45での銅線の配列です。 ストレートケーブルはその名の通り両端で全く同じ配列です。
配列の覚え方ですが、私は個人的には、オレンジ・緑・青・茶色で「オレみどアオちゃ」と覚えています(単に短縮しているだけで、特に語呂合わせがあるわけではないです。)。 この順番は、よじりを取った後の私にとっての初期配置です。 私は、銅線のよじりを取った後、オレンジ、緑、青、茶色の各ペアを順番に並べます。 次に、青を緑白と緑の間に移動します。その後、青白と青の順番を逆にします。 私は、このようにして図5の銅線の配列を作ります。 ただ、どうやって並べるかは個人の趣味なので、この方法は方法論の一つだと思ってください。
オレンジ・白 |
オレンジ・白 |
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オレンジ |
オレンジ |
緑・白 |
緑・白 |
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青 |
青 |
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青・白 |
青・白 |
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緑 |
緑 |
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茶色・白 |
茶色・白 |
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茶色 |
茶色 |
2.3.2. クロスケーブルを作成する
クロスケーブル用の配線を図6に示します。 クロスケーブルの一端の銅線は、ストレートケーブルと同じ配列です。 図6の左側は図5と同じ銅線の配列になっています。 一方、図6の右側はオレンジと緑を入れ替えたものになっています。
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