例示用IPv6アドレス 3fff::/20 が新たに追加
ドキュメンテーション等に含まれる値をそのまま利用してしまうユーザが問題を発生させてしまうことを避けるために、インターネット上では利用されないIPアドレスとして例示用IPアドレスが用意されています。 IPv4では、TEST-NET-1からTEST-NET-3までの3ブロックがRFC 5735で定義されています。
- TEST-NET-1: 192.0.2.0/24
- TEST-NET-2: 198.51.100.0/24
- TEST-NET-3: 203.0.113.0/24
IPv6では、2001:db8::/32 がRFC 3849で定義されています。
これまで、IPv4には例示用IPアドレスが3種類あり、IPv6には1種類だけでした。 IPv6は例示アドレスが1種類しかないので、記事や本を書くときに凄くわかりにくくなってしまいます。 (参考:IPv6例示アドレスがわかりにく過ぎる/10年前の文章です)
IPv6のための新しい例示用IPv6アドレスに関しては、IETFで数年前から議論が続いていましたが、2024年7月23日にIANAに3fff::/20という新しいIPv6アドレスブロックが追加されました(IANA IPv6 Special-Purpose Address Registry)。 3fff::/20 に対応するRFCになるであろう文書は、まだinternet draftの段階なので、この文章を書いている時点ではIANAのページにはinternet draftが参照されています。
今後は、この3fff::/20 を使って文章を書くことになると思います。
例示用IPv6アドレスとしては、2001:db8::/32だけだとわかりにくいので、RFC 3701によって廃止された旧6boneのアドレス 3ffe::/16 を使うという事例が散見されました。 プロフェッショナルIPv6でも3ffe::/16を使っているので更新しないとですね!
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