Real World HTTPはスゴ本
Real World HTTPの献本ありがとうございます。Webトラフィックを運ぶプロトコルとして利用されているHTTPの解説書として、HTTP 1.0、HTTP 1.1、HTTP 2.0のプロトコルだけではなく、ブラウザやサーバが何を行っているのかを含めて解説しています。
Real World HTTPの凄いところは、過去の経緯をふまえつつ、HTTPという軸で実際に使われている部分とそうでない部分を明確にしつつ解説されている点です。 しかも、範囲は非常に広いです。HTTPと関連する話として、たとえば、TLS、WebRTC、RSS、RDF、OGP、JSON、GeoLocation、RESTful APIなども解説されていますし、勘違いが発生しやすいno-cacheやno-storeなどに関しても解説されています。
すべての項目に関して詳細に解説されているわけではないものの、それぞれかなりしっかりとした解説があるので、他の情報を調べるための入り口としても非常に良い本だと思います。
単なるHTTP仕様書な本だと読んでいて飽きてしまいがちですが、Real WorldでHTTPに触れるときに必要になりがちである様々な知識を網羅した本として、面白く読ませているのが流石です。
電子書籍を前提とした執筆と編集
著者のブログを読むと、この本は、もともとは「Go言語のネットワークプログラミングを一冊で理解できる本」を目指した電子書籍の予定だったようです。電子書籍での出版を当初想定していたこともあり、Real World HTTPは、各種電子書籍フォーマットでの出力などが便利に行えるドキュメント作成ツールであるSphinxで書かれています。
とはいえ、Sphinxでそのまま印刷所に納品するデータを作成したわけではなさそうです。 Real World HTTPの編集者のブログを読むと、Sphinxで書かれたものをRe:VIEW形式に変換したうえでオライリー・ジャパンが各種フォーマットを作成したとあります。
元々のオライリー・ジャパン用のデザインやスタイルなどをまとめたライブラリ等がRe:VIEW形式で扱っているからだろうと私は推測しましたが、こういった柔軟な対応が可能であるところは流石です。
このように、著者と編集者がどのような思想で本を作り上げたのかを読んだうえで、Real World HTTPを読むと、「あー、この部分はこだわったんだなぁ」というのがわかって面白いです。
Real World HTTPは、素晴らしい本だと思うので、興味のある方は是非!
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