日本国内のCDNシェア
JStreamによる、日本のCDNシェアに関する調査結果が公表されています。 JStreamブログは、CDNに関連する色々な調査結果をブログで公開していて面白いです。
2017年10月版国内CDNシェアの調査方法は、Webクローラーによるもので、DNSに登録されたCNAMEや、HTTPメッセージに含まれるレスポンスヘッダを解析して判定しています。 判定を行っている対象となるCDNは、Cloudflare、Akamai、CloudFront、CDNetworks、Incapsula、Limelight、Edgecast,国内CDN事業者(Accelia、IDCF、IIJ、J-Stream)です。
日本語サイトのCDNシェア
comなど、jpドメインではない日本語のサイトでのCDNシェアは、以下のようになっています。 数の多い順に、Cloudflare、CloudFront(Amazon)、Akamaiです。
JStreamブログより
2017年4月に行った調査では漏れていた部分も追加され、Akamaiとfastlyは検出件数が増えています。
JPドメインサイトのCDNシェア
JPドメインのCDNシェアは、CloudFront(Amazon)、Akamai、Cloudflareとなっています。
JStreamブログより
Amazon(AWS)のCloudFrontが伸びている?
2016年3月にJStreamブログで公開された、国内CDNシェア2016年3月と比べると、AmazonのCloudFrontが大きく伸びているように見えます。
JStreamブログより(2016年3月記事)
JStreamブログより(2016年3月記事)
ただし、2016年時点での調査と2017時点での調査では、調査手法、CDN判定手法、対象となったWebサイト数などが異なるので、これらの図を見るときには注意が必要です。
新規CDN利用開始が非常に多い
「CDN利用の差分調査(JPドメイン)」では、「CDNを使っていなったFQDNがCDNを使い始めたことを検知した」が非常に多いことが示されています。
JStreamブログより
以前、「インターネットは当初目指したものではなくなってしまった」という記事で、NANOGのプレゼンにて、Geoff Huston氏が「いまあるネットワークは、電話網と少しだけ違うものになっている。 いまあるネットワークは、CDNの配信システムだ。 顧客に対して、ある特定の集中したコンテンツを超高品質に提供するためのものだ。... 本当に世界中の人々に見てもらうことを目指すのであれば、大規模なCDN事業者からサービスを購入する必要がある。 もう私は自分でそれをすることはできない。」といった発言をしていたことを紹介しました。それまでCDNを使っていなかった事業者がCDNを新規に使い始めることが急激に増えていることが、JStreamの調査からもわかります。インターネットでの情報発信の構造が徐々に変化していることが、JStreamの国内CDNシェア調査結果からも推測できます。
「CDNをリプレイスした(CDNを乗り換えた)」の部分が非常に少ないのも面白い結果です。一度導入したCDNを変更するのは、なかなか難しいのかも知れません。
個人的な感想としては、JStreamの調査結果にある「CDNの使用を止めた、FQDNにアクセスできなくなった」に関しては、「CDNの使用を止めた」と「FQDNにアクセスできなくなった」に関しては、分けて知りたいと思いました。
新規にCDNを利用したJPドメインのシェア
「新規にCDNを利用したJPドメインのシェア」では、AmazonのCloudFrontが最も多く、2番目がCloudflare、続いてAkamaiという結果になっています。
JStreamブログより
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