来日外国人エンジニアインタビューの試み

2013/5/14-1

今年に入ってから、来日外国人インタビューの試みを行っています。 世界的な情報通信関連企業のスター的エンジニアは、ちょくちょく来日しています。 たとえば、ミーティングやフォーラムが日本で行われるからという理由が多い印象です。

日本国内の動向は日本国内企業へのインタビューを行うのが最適ですが、国際的な標準化動向や海外の動向を知るには、海外のエンジニアに直接インタビューした方が、より深い情報を得られる傾向があります。

ということで、今年に入ってから英語版のブログも開始しています。 英語による原文と、その日本語訳という1インタビュー2記事構成です。 いまのところ、HTTP 2.0に関する記事(IETF httpbis WG chair, Mark Nottingham氏)と、家庭内IPv6運用の未来構想であるhomenetなどに関する記事(IETF homenet WG chair, Mark Townsley氏)の二つを実現できています。

現時点では、両方ともIETF動向になっています。 両方ともMarkさんなのは偶然です。

インタビューの方式

いまのところ、インタビューは先方からご連絡を頂いて伺うという方式のみになっています。

オファーを頂いた後に大まかなジャンルに関する情報を事前に頂き、そのジャンルを勉強したうえで、どういった質問をするのかを考えてインタビューに臨みます。 事前に勉強するといっても、事前に正しく状況を把握するのは流石に無理なので、面白い内容を引き出せそうな技術キーワードを探すのに近い状態ではありますが。

私がこのブログに掲載するために行っているインタビュー記事は、基本的に公開前に先方に内容を確認して頂いています。 質問に対する回答をそのままに近い形で掲載しているため、それが「その人の言葉」として発信されてしまいますが、発信者が自分のものとされる言葉に対して最低限の制御が出来た方が良いと私が考えているためです。

私もそうなのですが、限られた時間内で発言は結構いい加減である場合もあり、後で冷静になると「あー、自分の言ってたこと間違ってたわー」とか多いです(ブログ記事も1年後に読み返すと「あー、間違ってたなぁー」とか多いですけど)。 その他、「これ、言っちゃったけど、あの人がこの発言見ると嫌な気分になるだろうから取り消したいなぁ」とかも結構あります。

あと、もうひとつ厄介なのは、取材中に技術論議で盛り上がると通常は対外的に言わないようなことも楽しくなってガンガン言っちゃうんですよね。 なぜか、取材している側の私は「それ、楽しいんですけど、言っちゃヤバいんじゃないですか?」みたいな感じでストップかけたりしますし(笑。

でも、内容がマニアックになってくると広報部門の方々では、チェック出来ない部分が大半になってしまいます。 「これ言ったらあの人が」的な話って、そもそも本人しか状況がわかりませんし。 ということで、英語版の原文記事をご本人に確認して頂いて、確認済みな英語版を私が日本語訳するということを最近はやっています。 英語版は情報発信のためというよりも、本人確認フェーズを正しく行うためと、取材される側が日本語で何がどう発信されたのかを把握できるようにという意味合いもあります。

2年前にAkamaiの創設者でありMIT教授であるTom Leighton博士が来日されたときのインタビュー記事は、これに似たような状態だったのですが、日本語原稿を先方に渡していたこともあり、日本人スタッフの方々が相当苦労したのではないかと思います。

今後どうなるかは不明

いまのところ、海外系企業からのオファーを頂いた場合にのみ英語+日本語取材ブログを書いているので、今後どうなるのかは不明です。 チャンスがあり、各種原稿締め切りや日程等が許すのであれば、積極的に行いたいとは考えています。

とはいえ、先月「記者会見全文書き起こしのツライところ」でも書いた通り、この方式って手間がやたらとかかるんですが、内容がマニアックになるので、こういった記事がストライクゾーンな方々って多くはないんですよね。 どちらかというと、自分が楽しいからやっているような感じではあります(笑。 こういったインタビューって知識として得られるものが大きいんですよね。

最近のエントリ

過去記事

過去記事一覧

IPv6基礎検定

YouTubeチャンネルやってます!