韓国におけるネット検閲

2012/8/14-1

NY Timesが韓国におけるネット検閲の記事を公開しています。 韓国のネット環境と言って私が連想するのは、世界最高レベルの通信速度であることや、インターネット実名制(大手サイトでの住民登録番号による本人確認必須/トレーサビリティ確保)などです。

中国など、ネット検閲が厳しいことで知られる国々に関するネット検閲記事は年に数回見ますが、韓国でのネット検閲というテーマの記事を米国新聞社が書いているのを見るのは初めてです。

記事冒頭で紹介されているのが、Twitterで大統領を罵倒したらアカウントがブロックされてしまった事例です。 「中国だったら驚かないけど、韓国でこれが起きている」と記事は表現しています。

その他に、Twitterアカウント名として大統領を「ろくでなし(記事中では"bastard")」としたものもブロックされてしまったそうです。

昨年削除もしくはブロックされた投稿は53000件と記事に書かれています。 2008年は15000件と記述されており、検閲された投稿が増えていることを印象付ける内容となっています。 記事中では、ブロックされた投稿にはポルノや北朝鮮を支持したものも含まれるとあります。

記事では、以下のようにネットの監視が強化されたのは2008年に米国牛肉輸入再開を行おうとしていた頃からであるとしています。

Government critics said the heightened surveillance began early in Mr. Lee’s term, after his government accused political enemies of using the Web to organize mass demonstrations in 2008 against a decision to import American beef.

当時、「虚偽の噂」を流したということで抗議行動を起こそうとした人々が逮捕されたと記事は述べています。 後に無罪となったとしつつも、「授業を休んで抗議行動に参加すべき」というテキストメッセージを送信した十代の若者も逮捕されたとあります。

記事では、国境なき記者団(Reporters Without Borders)が出している「Enemies of the Internet」という報告書で、韓国はロシアやエジプトと並んで「国民が監視されている(under surveillance)」とされていると述べています。

他にも色々な話が書かれているので、興味のある方はNYTimes.comの記事をご覧下さい。

追記

国境なき記者団による2012年3月時点での韓国に関する情報は以下をご覧下さい。 韓国におけるネット検閲は、韓国と北朝鮮による情報戦という側面もあります。

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