2011年5月時点の日本のインターネットトラヒックの集計・試算が発表
総務省によって「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算 - 2011年5月時点の集計結果の公表」が発表されました。 この集計・試算は、定期的に公表されています(前回は今年3月に2010年11月時点の結果が公表されました。参考)。
今回の大きな特徴は、トラヒック試算方法が変わった事です。 これまでは、「主要IXにおける協力6社のトラヒックシェア」を総ダウンロードトラフィックの算出に利用していましたが、主要IXにおける協力6社のトラヒックシェアが年々低下していることから、実際の総ダウンロードトラフィックと乖離していると考えられるとの理由で、「我が国のブロードバンド契約数における協力ISP6社の契約数のシェア」を利用する方法へと切り替わりました。
「主要IXにおける協力6社のトラヒックシェア」が低下しているのは、実際にISPが扱っているトラヒックが減っているのではなく、大手ISPの通信形態がIXを経由しないISP同士のプライベートピアリングへと移行したり、コンテンツプロバイダが大手ISPのユーザではなくなり自ら直接IXに接続しはじめているためです。
「我が国のインターネットトラヒックの現状」
「我が国のインターネットトラヒックの現状」として、以下のように書かれています。
我が国のブロードバンドサービス契約者の総ダウンロードトラヒックは推定で1.51T(テラ)bps。 この1年で約1.2倍(22.6%増)となった。また、総アップロードトラヒックは推定で692.2Gbps。
「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算」より
「1契約あたりのトラヒックの推移」
「1契約あたりのトラヒックの推移」では、以下のように書かれています。
1契約当たりのトラヒックは、ダウンロード・アップロードともに2010年5月集計時に減少。その後ダウンロードは増加に転じているが、アップロードは減少傾向が続いている。
「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算」より
この中にある「2010年5月集計時」というのは、2010年1月1日に改正著作権法が施行された影響と思われる減少です。 その部分に関しては、以前書いた「改正著作権法と日本のインターネットトラフィック」をご覧下さい。
その他
この他、以下のような情報が掲載されています。 興味のある方は是非ご覧下さい。
- 契約者別トラヒックの月間平均の推移(協力ISP)
- 時間帯別トラヒックの変化(協力ISP)
- ISP間で交換されるトラヒックの集計(協力ISP)
- (参考)従来の試算方法によるトラヒック
- (参考)IXシェアと契約者シェアの比較
関連
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- 改正著作権法と日本のインターネットトラフィック (2010年11月)
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