裁判所が著作権保護のために児童ポルノ対策ブロッキングの仕組み利用を命令@イギリス

2011/7/29-1

イギリスの裁判所がBritish Telecomに対して、現行の児童ポルノブロッキングで利用されているCleanfeed filtering systemの仕組みを使ってNewzbin2というサイトをブロックすることを命令しました。 これによって、イギリスで児童ポルノのために実施されたブロッキングの仕組みが著作権侵害対策として利用される方向へと動いたことになりそうです。

Newzbin2は、海賊版映画等へのリンク集です。 ars technicaの記事によると、NewzbinはUsenetを検索するためのサイトとしてイギリスで設立された企業ですが、海賊版の映画やテレビ映像が掲載されたURLへのリンクを掲載することで閲覧者が海賊版コンテンツを発見しやすくなっていたとのことでした。 昨年、Newzbinは法廷で敗訴し、「債務を払えない」と理由でNewzbinは終了しましたが、Newzbinのソースコードが漏洩したうえで、運営主体が変わったとの連絡がユーザにメールされ、Newzbin 2がスウェーデンで開始されました(参考:Newzbin resurrected? Code leak presages Newzbin Two)。

一時は著作権侵害といえばP2Pのようなイメージもありましたが(not「P2Pといえば著作権侵害」なので注意)、BBCの記事によると、P2P利用者が減り、Newzbin 2のようなリンクサイトが主要になりつつあるようです。

BT側も「Helpful judgement」と言っているのが印象的です。 「Helpful judgement」の後は以下のように発言しています。

"It clearly shows that rights holders need to prove their claims and convince a judge to make a court order. BT has consistently said that rights holders need to take this route. We will return to court after the summer to explain what kind of order we believe is appropriate,"

インターネットが欠かせない情報インフラとなりつつありますが、インターネットの運営方法は過渡期にあるような気がしています。 今後、世界各国でブロッキングなどの議論が増えて行きそうです。

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