松江のIIJコンテナ型データセンターを見てきた(7)

2011/11/11-1

電圧を100Vではなく倍の200Vにすることで、電流を1/2にすることができます。 それによって100V電源と比べると電線を細くすることができ、配線スペースを省スペース化することができます。

コンテナの中はスペースが限られているので、各ラックに10KVA分の電力を給電する為の電線ルートを確保するだけでも大変だったようで、実証実験コンテナでは天井が強電配線で埋まってしまっていました。 松江データセンターパークで稼働しているIZmoでは、電源を200Vにしたおかげで配線が減らせて、スリムタイプのコンテナにも納めることが可能になったとのことでした。

なお、念のためということで、コンテナ内にダウントランスを装備するための場所は確保してあり、必要ならばある程度の100V電源も供給可能な設計にはなっているようです。

9. 2タイプのコンテナと検討中の第3のコンテナ

「第3のコンテナ型データセンター」も「計画中」であることが発表されていました。 そのサイズは、国際基準のISOコンテナであるとあったので、「もしかして海外輸出用ですか?」と質問したら「それも含めて考えています」との回答を頂きました。

先日、IIJ Globalによる海外展開に関する記者説明会(参考)がありましたが、そこで「コンテナ型データセンターのアジア展開」という発表があり、きっとそれに関連する検討であろうと思って質問してみたら、やはりそういうことのようでした。

10. 国土交通省による「技術的助言」

IIJ社のコンテナ型データセンターが「コンテナである」のは、製造から設置までが迅速に行えるというモビリティという側面と同時に、「コンテナなので建物ではない」という法解釈によって消費電力低減やコスト削減が可能であるという側面を持ちます。

そのため、「コンテナ型データセンターとは何か?どのように運用されるのであれば法令を遵守していると言えるのか?」という点が非常に大きな意味を持ちます。

昨年8月時点では、コンテナ型データセンター用に特区を設けて、そこでまずは実験的な取り組みとして行うという方向性でしたが、その後、国土交通省から実務を行う都道府県に対して「技術的助言」が送達され、どのように解釈すべきかに関しての「助言」が行われました。 その「技術的助言」のポイントは、以下の二点です。

  • 特区は設けず、全国一律の条件
  • 既存の法律や省令を変更するわけではなく、運用改善(解釈の統一)

(続く:次へ)

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