松江のIIJコンテナ型データセンターを見てきた(6)
IIJのコンテナ型データセンターは、建物である従来のデータセンターと比べると空間が狭くなっています。 空間が狭ければ狭いほど、管理しなければならない空気の容積が減るため、効率も上昇します。
IZmo Sの中(写真はIIJ提供)
このように狭い空間でのデータセンター運用が可能なのは、コンテナ型データセンターが「建築物に該当しない」ためです(詳しくは、後述する「国土交通省による『技術的助言』」をご覧下さい)。
コンテナ内に設置されたラックの上部が塞がれており、コールドエリアからホットエリアへ向かう空気がラックを通過するように設計されているのも大きなポイントです。 これによって、冷やされた空気と熱を持った空気が混合しなくなります。
このように狭いコンテナ内にラックが置いてあると、太陽光などによる外からの熱が気になりますが、それらに対応するために、コンテナ内部に断熱材が入っているとのことでした。 屋根に塗る塗料などによって天井からの熱を低減することも可能ですが、それらの実施コストおよび定期的な塗り替えなどによるメンテナンスコストを考慮すると、コンテナ内部の断熱材のみで十分な効果が得られるという検討結果だったようです。
7. 送電ロスの低減
IIJコンテナ型データセンターでの取り組みとして、配線の工夫による送電ロス低減も紹介されていました。 建物内を配線する通常のデータセンターと比べて、コンテナ据え置きによるIIJコンテナ型データセンターは、送電ケーブルの配線を短くできるので送電ロスが少ないと説明されていました。
「データセンター内の送電ケーブルを握ってみると温かいでしょ。それってそれだけ熱に変換されて電気が無駄になっていることを示しているんですよ」という堂前さんの説明がマニアックで面白かったです。 (普通はデータセンター内にある送電ケーブルを触ったりしませんし、触らせてもらえる機会も無いと思います)
8. 200V給電
コンテナへの給電が200Vで行われているのもポイントのひとつだそうです。 一般的に流通しているラックマウント対応機種は世界対応製品であり、100V-240V対応であるということもあり、コンテナ内のほぼ全ての機器が200Vで動作しているとのことでした。
(続く:次へ)
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