インターネット技術妄想論 [第2回] 動画配信がインターネットの形を変えていく
Software Design 6月号の連載記事紹介です。 前回はIPv6の未来に関して語りましたが、今回はビデオトラフィックの増加とバックボーンネットワークに関してです。 前回は「インターネット技術妄想論 [第1回] 結局、IPv6ってどうなのよ?!」をご覧下さい。第1回は全文公開しています。
今回は、序文と章タイトルのみの公開となります。
インターネット技術妄想論 [第2回] 動画配信がインターネットの形を変えていく
かつては動画配信と言えば非常に手間とお金がかかるものでした。多数のユーザに対して十分な品質の動画を配信するには、それなりの回線や帯域確保が必須であり、一般ユーザが数万人に対して動画配信を気兼ねなく行うというのは非現実的でした。
しかし、YouTubeが登場したことで状況が一変しました。YouTubeの登場後、誰でも無料で動画配信をできるようになりました。個人だけではなく、政治家、芸能人、歌手、大手コンテンツホルダやテレビ局などもYouTubeに公式チャンネルを開設するようになりました。登場当初のYouTubeは、莫大な赤字を垂れ流す存在と囁かれていましたが、2006年にGoogleに16億5,000万ドルで買収され、2011年には黒字化するという推測もあります。
日本ではニコニコ動画が10代〜20代の若者ユーザを増やしつつ、独特の文化圏を形成しています。また、Ustreamによるリアルタイムストリーミングの流行も見逃せません(注1)。
今回の筆者の妄想は、このような動画配信トレンドが今後も加速するのであれば、インターネットインフラも大きな変化を求められるようになってくるという妄想です。動画配信をはじめとする「リッチなコンテンツ」の重みが、インターネットインフラに重くのしかかるというものです(注2)。
(注1) 筆者が関わっている全日本剣道連盟もYouTubeやUstreamの公式アカウントを開設していますので、よろしくお願いいたします。http://www.youtube.com/ZennipponKendoRenmei、http://www.ustream.tv/aj_kendo_f
(注2) 余談ですが、Web動画とP2Pによるトラフィック量は共に増加していますが、P2Pによるトラフィックが全体に占める割合は減少傾向にあるようです。
章タイトル一覧
- まだまだ成長を続けるインターネット
- トラフィックも増加
- 高速化していくアクセス回線
- モバイル端末のトラフィック増加
- 今後も高速化/データ量増大の傾向は続く
- バックボーンネットワークはどうなるのか?
- 回線速度の限界と並列化
- コンテンツ界の「巨人」
- キャッシュによる負荷軽減と「巨人」
- 変化していくインターネットインフラ
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