第58回全日本剣道選手権のNHK録画失敗に関して
11月3日に行われた第58回全日本剣道選手権大会はNHK総合で16:00-17:30の予定で放送されました。 年に一度の全日本剣道選手権大会を楽しみにしている剣道家も多く、非常に多くの人々がNHK総合を楽しみにしていました。 さらに、今年のNHK総合での解説は宮崎先生によるものだったので、それを聞くために録画予約を行っている人もいました。
しかし、予約してあった筈の録画が途中で途切れているという現象に多くの剣道家が遭遇したようです。 恐らくこれは、「マルチ構成」と、それによって発生する「イベントリレー」に対応するように録画機器が設定されていなかったことに起因しています。
マルチ構成、サブチャンネル、メインチャンネル
この問題は地デジで発生しました。 地デジには、「マルチ構成」という仕組みがあり、画質を落とす事で一つのチャンネルを二つに分割することが可能です。 具体的には、直前のスポーツ中継が延長してしまったときに、直前のスポーツ中継をサブチャンネルで放送し続け、メインチャンネルは予定通り放送することが可能となります。 マルチ構成中は、メインチャンネルがHD(ハイビジョン)で放送予定であっても、SDでの放送となります。
「マルチ構成」の簡単な説明は、NHK広島放送局のQ&AのQ7やNHK大阪放送局のQ&A「教えて!!デジタルおじさん」がわかりやすいです。
11月3日のNHK総合で、第58回全日本剣道選手権大会の前に放送されていたのが早慶戦(「慶早戦と書け!」と言いたい人も居ると思いますが、、、)です。 早稲田大学の斎藤佑樹投手が先発したこともあり、NHK総合での番組平均視聴率が12.1%と非常に注目された試合でした。 この試合が16:00に終了しなかったため、地デジのNHK総合ではマルチ構成による中継継続が行われました(アナログ放送では16:00に終了しました)。
参考「MSN産経ニュース:早慶戦中継、九回途中の放送終了でNHKに苦情殺到」
メインチャンネルで放送されていた早慶戦がサブチャンネルへと移動するときには、「イベントリレー」という機能が発動し、視聴者をサブチャンネルへと誘導します。 録画機器も、このイベントリレーに対応していれば、サブチャンネルで放送が継続される番組の録画が継続されます。 しかし、全ての録画機器でイベントリレーに追従する機能がONになっているわけではありません。 これは恐らく、イベントリレーによって他の予約録画と録画時間帯が被ってしまって、結果として他の番組の録画が失敗する可能性があるためだと思われます。
16:35頃にHDへの切り替えが発生
NHK総合による第58回全日本剣道選手権大会の中継は、早慶戦とのマルチ構成での放送となったため、開始当初はSD品質での放送されていました。 全日本剣道選手権視聴者によるネット上での書き込みを見ていると、SD品質での放送に驚いている意見を散見しました。 最近の大画面液晶テレビでSD映像を見てしまうと、多少絵の荒さが気になるかも知れません。
16:35頃に、サブチャンネルで行われていた早慶戦中継が終了しました。 それに伴って、サブチャンネルで放送される番組がなくなり、メインチャンネルを本来のHDで放送できる帯域が存在する状況になりました。
そこで、メインチャンネルがSDからHDへと切り替わりました。 しかし、地デジにおいて番組をそのまま継続しながらSDからHDへと切り替えることができないため、SDで放送されていたメインチャンネルでの番組を一度終了(キャンセル)して、HDによる新しい番組を開始しなければなりません。
ここでも、恐らくメインチャンネル内でイベントリレーが発生したものと思われます。
そして、地デジで第58回全日本剣道選手権大会の予約録画に失敗している事例は、恐らく録画機器にイベントリレー機能がないか、設定がOFFになっている場合であると推測されます。
マルチ構成によるサブチャンネルでの中継継続やイベントリレー機能は便利だと思いますが、それはそれで今までにないややこしさが発生している気がします。 ノウハウとして、多くのユーザが慣れたり、録画機器のための新機能が発明されるまでは色々とありそうです。
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