Twitterとパンデミックデマに関する研究
Medicine2.0というカンファレンスにて、9月17日に「Twitterで新型インフルエンザに関するデマはそんなに流れなかった」という趣旨の発表が行われるようです。
「Pandemics in the Age of Twitter: Content Analysis of “Tweets” During the H1N1 Outbreak (Abstract)」
まだ、発表前なので概要しか公表されていませんが、概要によると2009年4月28日〜5月11日までの間の30万Tweetを分析したそうです。 分析は、「swine flu」「swineflu」「H1N1」というハッシュタグもしくはキーワードを含むTweetに対して行われたと記述されています(swineは「豚」という意味です)。 英語以外のTweetやReTweetはサンプルから除外されていました。
予備的な分析として400 Tweetを調べたところ、ニュースの紹介が46%、公衆衛生教育が19.18%、H1N1関連ジョークが18.25%であったそうです。 全体の36.75%がニュース記事の引用及びURL記載を行っていたとのことでした。 デマのソースとなり得るTweetは7件だったそうです。
この論文の結論としては、Twitterではデマは猛烈に広がらないとしています。 その代わり、ニュースや信憑性のある情報が伝播し、Tweet全体の2割がジョークであるそうです。 結果として、Twitterではパンデミックに関する情報を公共に広める事に役立っているとしています。
この論文はまだ発表前であるため、まだ概要しかわかりませんが、個人的な感想としては「その7件を誰が言うか」と「その7件がどれだけ信じてしまう内容か」という条件によって変わりそうだなぁとは思いました。 ただ、少なくとも英語圏では新型インフルエンザ(当時は豚インフルエンザ)に関してのデマは広く伝播しなかったという結果を示している論文としては有用なのだろうと思います。
医学論文でTwitterが出てくるのって、何か新鮮な感じがしますね。
実はデマ情報とインターネットに関しては、様々な研究や論文があります。 例えばGoogle Scholarで検索していると、インターネット上で公開されるデマ医療情報に関してや、癌などに関する患者同士の情報共有やコミュニケーションについての論文を良く見ます。 興味がある方は是非Google Scholarで思いつくキーワードを入れて試してみて下さい。
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