ツタヤとブックオフと電子書籍に関する妄想
ふとした機会に通りかかってみたら、昔、良くCDを購入していたCD屋さんが無くなっていました。 その地域でCDを買うには、どこに行くのだろうと思ったのですが、近くに大き目のブックオフがあり、音楽コーナーが充実していました。 その音楽コーナーで高校生風の若い男性二人組がSKID ROWやMotley Crueの話をしながらCDを物色していて、「お前ら何歳だよ(笑)」と微妙に思いながらも妙に和みました。 でも、その街で音楽を購入しようと思うとブックオフに行くのかもと思うと、何か色々と微妙な気分でした。
そういえば、この前、知人と飲みに行ったとき、娘さんが「レコード屋と言っても通じない」という話をしていました。 そりゃ「レコード」と言われても通じないだろうと思いました。 でも、「CD屋」と言ってもピンと来なくて、何と言うかというと「ツタヤ」と言うそうです。 もう「購入」じゃないんですね。。。
話はブックオフに戻りますが、ブックオフの書籍を見ていると、比較的新しい書籍が置いてあることもあるようです。 読み終わってすぐに売って次の本を購入する資金とする人がいるのでしょう。 そういえば、書籍ではありませんが、私もファミコンゲームソフトはクリアした後に売って、次のゲームを購入したりしていました。
電子書籍登場でブックオフってどうなるの?
何か色々と、ぼーーーっと考えていたら、最近色々考えている電子書籍とブックオフとツタヤが頭の中で繋がりました。 いまや、そこら中にあるようにさえ思える、ツタヤとブックオフですが、電子書籍や音楽ダウンロード販売がメインとなる世界が来た時に、それらはどうなるのだろうと、そんな感じの妄想です。
ダウンロード販売などによる電子コンテンツ流通が増えると、恐らく「中古」という概念はなくなります。 「中古」の流通は、媒体としての紙やCDなどが物理的に存在しているから、成り立っているのではないでしょうか? 例えば、電子媒体の流通が劇的に増加し、CDや書籍の流通量が激減すれば、ブックオフなどで流通する「中古」の量やバリエーションが減ります。
ダウンロードレンタルとツタヤ
さらに、ツタヤ的思想を電子コンテンツに持ち込めば、時限式のコンテンツという概念も発生します。 DVDなどの「実体」を実際にやり取りするのではなく、「視聴権」だけを時限式で「借りる」電子コンテンツの出来上がりです。 今のように「視聴すること」に対しての対価をDVDというモノに対して払っていたところを、完全に「視聴する一時的な権利を購入する」というトークンに対して払う概念でしょうか。 実際、そういった形でのVoDの実験などが過去に大量にありますが、将来、それが当たり前になる世界が来るのかも知れないと、私の脳内での妄想は続きます。
そうなったとき、ツタヤが物理的な「店舗」である必要性は、どこかで薄れて行くのかも知れません。 ネット接続された非常に便利なデバイスがあり、店舗に行かなくても良くなれば、物理的に店舗を構える必要性は減るのかも知れないと思いました。 まあ、棚に列挙された作品のジャケットを見て、借りる映画を物色する楽しみは減るのかも知れないとは思いますが。。。
出来てたことが出来なくなる、出来なかった事が出来るようになる
ただ、そう考えると、ユーザ側にとっては「今まで出来ていたこと」が出来なくなる事を意味します。 電子媒体の流通が促進されれば、それらにかけられているDRM(Digital Rights Management)によって、コピーはもちろん、今まで出来ていた貸し借りが出来なくなる可能性もあります。 気がついてみると「自由度が上昇する」筈だった電子化が、ユーザにとっては全く逆の方向に働くのかもしれません。 「電子データ流通が普及する事でコピーが出来なくなる」という状況ですかね。
しかし、「DRMであれば貸し借りが出来なくなる」というわけでも無いと思います。 moveという概念があるDRMであれば、恐らく貸し借りも可能です。 ただ、システムの実現方法によっては、moveと同時にユーザ情報も管理できてしまう可能性もありそうなので、 いつの間にか、色々と激しく「管理される」という状況もあり得るのかなぁと妄想しました。 そこら辺はDRMと認証方式とユーザ管理とプライバシーまわりで、色々と議論がありそうです。
ただ、中古市場の存在などを考えると、実は「中古」という概念がない電子コンテンツの方がクリエイターに直接対価が還元されるやすいシステムを構築しやすいのかも知れません。
最後に
技術の発展とは、「今できないこと」が「できるようになる」ことであり、その「できるようになる」こととは何だろう?と妄想することが増えた、今日この頃です。 以上、妄想終わり。
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