「ネット」って何だろうか?
年末年始に多くの親戚等に会って話をすると「ネットに書くのは難しい」とか「ネットは怖い」というイメージが伝わってくる会話になることがあります。 でも、何か違和感があります。 そのもやもやが何であるかを色々考えてみました。
「ネット」って仮想なのか?
「ネットは仮想的なものだから難しい」という意識を持つ人もいそうです。
しかし、そもそも、ネットが「サイバー」とか「仮想」という枕詞で語られていて変な場合もあります。 確かにSecondLifeのような仮想3D空間上で何かが行われていれば「仮想」です。 空間が無いところにあたかも空間があるかのように「場」が出来ている、という意味では「サイバースペース」という表現も納得できます。
でも、私の感想としては「ネット」は情報を運んでくれる土管でしかなく、ある意味電話と変わりません。 単に音声以外のデータも運んでくれるだけです。
そして、その土管の上で情報をやり取りすることによって実世界に実在する誰かと何かのコミュニケーションが行われます。 「ネットで」と言う表現は確かに色々ありますが、例えば「ネットで話題」と言った時には「ネット」が指す物はインターネットを仲介して形成された人間のコミュニティだったりします。
全てが「仮想」に見えるのはインターネットが高度に抽象化された設計で作られているという「仮想」が、ドンドン拡大していった結果である気がします。 途中の通信機器が「仮想的に見えない状態」であったとしても、各終端にいる人間はリアルであり実在する場合が多いのではないでしょうか?
もちろん、ナイジェリア詐欺的な「仮想」や、ネカマ的な「仮想」や、人工無能的な「仮想」も溢れています。 マネーロンダリングを依頼してくるオオアリクイに夫を殺された未亡人や軍隊の大佐は恐らく「仮想」なんだろうと予想しています。 それらの「仮想」を出来る範囲でフィルタリングしていくところが「リテラシ」と呼ばれるのかも知れません。 (あ、それが難しいと言われているのか?あれ?。。。。)
実際はコネで動いている
「ネットで」と言っても実は単にインターネットを土管として使ってやり取りを行っている人と人の「つながり」だったり、「コネ」だったり、「仲間意識」だったりする気がします。
例えば、イベントやオフ会などもコネによるところが非常に多いのではないでしょうか?
オフ会は、初めの一回はネットでの出会いから始まる事があります。 全く知らないところに飛び込む気持ちです。 しかし、数回会ってしまえばオフ会はオフ会ではなくなります。 最初以降は、単なる知人の飲み会です。
知り合いになってしまった後の感覚としては、自分の両親がお見合い結婚か、恋愛結婚かぐらいの違いに近いのかも知れません。 「あれ?そもそも知り合ったのどこだっけ?」ぐらいの勢いかも知れません。
ブログイベントも同様だと思います。 大手企業などがブロガーイベントをやりにくいのはブロガーとコンタクトが取れないところだと思います。 要は「コネ」が無いからです。 何度も同じ企業が同じメンバーでブログイベントをやるようになれば、そのうち直接知っているブロガーが増えて行き、企業自らがブロガーを集めてブロガーイベントを出来るようになって行くような気もします。 「コネ」の形成です。
このように「結局はコネと仁義と仲間意識だよね?」という話をしてしまうと、「ネットって単なる土管なんだぁ」と思えませんか?
怖い/難しいのは「ネットそのもの」ではなく「広報/公告/伝播」なのでは?
実際、「ネット」は怖いと思います。 私もネットは怖いです。 不特定多数の方々に読まれる事を前提にブログで色々と書き続けるなんて怖い事をするのは、ネジが数本抜け落ちた人間のすることなんじゃないかと思うこともあります。
で、何故怖いのだろうかと考えました。
個人的な結論としては「怖いのはネットではない」でした。 怖いのは情報が「広報/公告/伝播」されることであって、ネットであることでは無いのかも知れません。 雑誌や新聞やテレビで何かを語ってそれが全国に伝わってしまうことと、ネットで何かを書く事は本質的に同じ怖さがありそうです。
大きな違いとしてあるのは「自主規制」だろうと思います。 例えば、雑誌であれば編集者が「ヤバイ」部分を削ったりアドバイスをしてくれたりします。 「ネット」では、それが無い事が多そうです。 要はリミッターが無い状態です。
リミッターが存在しない状態で「ヤバイ」事を伝播させてしまい得るというのが「ネット」の怖いところなんだろうなぁと漠然と思いました。
デジタルネイティブ?
このような事を書くと、「ネットと共に生まれ育ったデジタルネイティブだからだ!」とか「今風だよね」という感想を持つ人がいるかも知れません。 でも、個人的にはそれは違う気がします。
私にとっては「インターネットは土管でありツール」なんだと思います。 年齢の問題ではない気がしています。 問題意識とインセンティブがあれば、人間関係を築く事に慣れた人生の熟練者の方が上手くネットを使えるんだろうと思います。
問題は人間関係を築くのが上手な人生の熟練者は、既に確固たる人間関係を完成させており、新しい出会いを求めるインセンティブが少ないだけなんだろうと思います。 あとは、年功序列的な考えがあって変なプライドが邪魔をしている場合もあるかも知れません。
最後に
でも、「ネット」って何ですかね? 人によって「ネットとは何か」に関する見解が大きく違いそうですね。
少なくともOSI参照モデルが元になっている人が多数派では無い気がする今日この頃です。
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