ワクワク感を持続できない組織は求心力を維持できない
ワクワク感が創造できない、もしくは外部が内部でのワクワク感を想像できない組織には、新人が入らずに徐々に高齢化していき、求心力を失い、最終的には寿命を迎えるのではないかと感じる時があります。
過去のワクワク
昔、テキストによるやり取りを実現するチャットプログラムを書いて感動していました。 TCPでソケットを作り、通信ができるという事実が感動でした。
SGIのワークステーションに付属しているデスクトップカメラの映像をTCPで転送するプログラムを作るのに四苦八苦しました。 楽しくて楽しくて外が明るくなるまで学校の特別教室に残留し、意味も無く寝不足の日々が続きました。 それが動いたときの感動は今でも覚えています。
さらに、UDPでプログラムを作り直し、マルチキャストで学内ネットワーク中にRGBA生情報を垂れ流していた頃が懐かしいです。 当時は、その意味を理解していませんでしたし、パケットの欠落という概念も全く理解していなかったので間抜けなコードでしたが、デバッグする度のちょっとした動作の改善が楽しくて仕方がありませんでした。
その後、音声の通信を行って感動しました。 同じ教室の違う機械から音声が出た瞬間は痺れました。 何故か映像よりも音声の方がとっつきにくかった覚えがあります。
Javaが初めてα版で公開されてアプレットが動作した時、「これは凄い」と思いました。 Webページの中に動くプログラムが埋め込めるようになったのです。 世界が変わったと感動しました。
私がコンピュータをやり始めた時期(大学入学時、1994年)は非常に恵まれていたと思います。 徐々に技術が発展していったからです。 そのため、世間の技術の発展に感動や刺激を受け続ける事ができました。
この「ワクワク感」があったからこそ、今まで継続してコンピュータを触り続けていられたのだと思います。
懐古をしていてもしょうがない
しかし、「昔は良かった話」を続けても意味はありません。
そして、最近の若い人に全く同じ事象による「ワクワク感」を期待しても、あまり意味がありません。 今の若い世代(中高生ぐらいを想定)にとっては、「そんなの当たり前」なんです。 電話を使って何故会話できているか、電気は何故家庭に届いているのかを本格的に不思議に思う人が少ないように、インターネットを使うと何故通信ができるのかに関して疑問を持って調べる人は少ないのかも知れません。
もちろん、そのような事にワクワクする人もいます。 そのような「才能ある」若者は大切にワクワクできる環境を維持し続けるべきだと思います。
では、今のワクワクを生み出すものは何なのでしょうか? 色々あるのだと思いますが、それがワクワクする事であるかどうかを自分の曇った目からはわかりにくくなっている気がしてなりません。 恐らく、本当に何気ないところなんだろうと思います。
自分にとっては当たり前でありつつ、他者には当たり前ではないものを掘り起こす作業はなかなか難しいかもしれませんが、できると面白そうです。
ワクワクの推移
ワクワク感をかもし出すものは時代と共に変化していくものです。 昔は昔、今は今です。
OSそのものがホットだった時代、インターネットそのものがホットだった時代、Web上でのちょっとした動作がホットだった時代はもはや過去のものなのかも知れません。 ある程度の仕組みが出来上がり、様々な高速道路が確立された今は、既存のものを組み合わせるマッシュアップなどが全盛に見えます。 (こんな例を書いている時点で視点が狭すぎるという突っ込みはあるとは思いますが。。。)
もちろん、基礎的な力を維持するという意味で過去の延長上の技術を突き詰めるという方向性は大事です。 それはそれで誰かがやらなければならないことではあります。
しかし、過去からの延長をテーマとした分野に集まる人は徐々に減っていくのは自然の摂理かも知れないと最近は感じています。
でも、やっぱり強い過去からの蓄積
とはいえ、過去からの蓄積に勝るものはありません。 過去からの蓄積がある組織がちょっと視点を変えて、様々な知識や経験をオープンにしていけば、そこから自ずと「ワクワク感」は発生し得るのではないかと感じています。
難しいのは「オープンにする」というところかも知れません。 自分では「オープンにしている」つもりでも、他者から見れば非常に閉鎖的というのは良くあることです。
まあ、先人の経験によってワクワクする期間には限りがあるので、数年経ったらまた新しいワクワクが何か湧いてこないといけないのでしょうが、その頃には自発的にワクワクできる人と層でない人で別の人種に変わっていそうです。
難しいなぁ
ワクワク感を出すには、どうすれば良いのだろうと妄想することが多い今日この頃です。
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