ギリシャの未成年によるインターネット利用方法
「Youth and the Internet: Uses and practices in the home」という論文がありました。 12〜18歳の若者が家でインターネットをどう使っているのかを調査した論文です。 調査は2004年〜2005年にギリシャで行われました。 論文では、17の学校から418人に対してアンケート調査を行っています。
なお、ギリシャではインターネットに接続するためのコストが依然高価であるため、家庭におけるインターネット普及率はあまり高くないそうです。 そのため、インターネットを家庭で利用できる事が経済状況を表す指標になっているらしく、多少日本とイメージが違う部分もあるのかも知れません。
概要には以下のような事がわかったと書いてあります。
- インターネットを学業に使う割合は非常に低い
- 12〜15歳の層は、それよりも年上の層と比べると学校の宿題のためにインターネットを利用する
- インターネットを利用する若者の家庭の多くは高学歴な親を持ち、都会に住んでいる
- 少年(男の子)が利用者の多くを占める。娯楽目的が多い
- 多くのユーザが一人で徘徊する事を好む
- 親が監視するためのシステムが欠落している場合が多い
- 一般的には、インターネット利用頻度や利用方法は親の学歴や居住地に影響されない
調査結果から
調査結果から一部項目を抜粋してみました。 この他にも色々書いてありました。
国が違えば全く状況が違う事もあれば、同じようなところもあると思いました。
- 70.6%が家にPCがあると回答し、そのうちインターネット接続性があるのは52.8%だった。
- インターネット接続性がある学生のうち、74%が「頻繁にインターネットを利用する」と回答し、インターネット利用が大きなインセンティブになっていることを示している
- 学業のためにインターネットを利用すると回答したのは17.5%。ビデオゲーム(33.7%)、コミュニケーション(31%)、音楽鑑賞(46.5%)、画像検索(55.5%)。
- 74.3%は「しばしば、または主に"自分のために"インターネットを利用する」と回答した
- 学校はインターネットの入り口として重要な役割を果たしている。インターネットに初めて触れたのが、学校(36.7%)、家(25.8%)、インターネットカフェ(18.4%)。
- 一人で使う事が多い。良く一緒に使う相手は、一人で使う(80.4%)、兄弟と一緒に(23.1%)、親と一緒に(11.8%)、友人と一緒に(42.4%)。
- 多くの学生が「インターネットをやり始める前と後で勉強量は変わらない」と主張した(71.3%)。
- 多くの学生が「インターネットをやり始める前と後で外に出る頻度は変わらない」と主張した(75.6%)。
- 「インターネットをやり始める前と後で音楽を聴く時間が増えた」と主張した学生(42.8%)。
- 「インターネットをやり始める前と後ではテレビ視聴時間が減った」と主張した学生(39.0%)。
- 親がインターネットに対して制限をかけていると回答した学生(35.65%)。自分がインターネットを使って何をしているか親が知りたがっていると答えた学生(19%)。
- 父親がインターネットの利用方法を知っている(56.7%)。母親がインターネットの利用方法を知っている(35.5%)。
- 子供のインターネット利用率(69.7%)。親のインターネットの利用率(10.4%)。
- ギリシャの政府機関による調査(2004年)では、16-74才の45.5%が機材が高すぎてインターネットにアクセスできないと回答している。また、36.55%が接続コストが高すぎてアクセスできないと回答している。
- 男子学生と女子学生では利用方法が異なる。インターネットを良く利用するのは男子学生。ゲームなどをするのが好き。
- ギリシャの親は使い方を知らない場合が多いので、インターネットのリスクを理解していない場合が多い
- 18歳未満はクレジットカードを持てないので事実上学生がインターネットで物を買うのは一般的ではない。また、大人であってもインターネットでの売買はギリシャでは活発ではない。
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