大学が授業で使った資料のために出版社に訴えられる
New York Timesに掲載されている著作権訴訟の記事が非常に興味深かったです。
「New York Times : Publishers Sue Georgia State on Digital Reading Matter」
訴訟概要
複数の出版社がジョージア州率大学(Georgia State University,GSU)を著作権侵害で訴えました。 訴えた理由は、同大学が電子コースパックに収録されている電子データを著作権者の許可を得ずに生徒に配布したことだそうです。 訴状はアトランタ連邦裁判所に提出されています。
訴えたのは出版社3社と米国出版者協会です。
- Oxford University Press
- Cambridge University Press
- SAGE Publications
- The Association of American Publishers
NYT記事概要
NYT記事には以下のような内容が書いてありました。 かなり削っていますし、誤訳などが含まれている可能性があるので原文もご覧下さい。
- このような訴訟は初めてかもしれない。
- アカデミック出版社のビジネスモデルの未来を左右するかもしれない
- フェアーユースを逸脱していると訴状では述べている
- 電子的なコースパックはアメリカの大学で利用される教材の半分を占めるのではないかと思われる
- 原告側弁護士「ジョージア大学は話し合いに興味を示さなかった」
- 原告側弁護士「ジョージア大学からフェアユースの範囲内だとのメールを受け取った」
- 原告側弁護士「ここ半年〜1年の間に6以上の大学にコンタクトを取ったが、他のところはもっと真剣に対応した」
- コースパックの複写に関する訴訟は過去にあったが、電子コースパックのコピーに関する訴訟は初めてではないか
- 専門家(エール大学法学部教授)意見「GSUは電子コピーを営利目的で販売しているわけではない。ただ、授業料を受け取っているので完全に営利目的ではないと言い切るのは難しいのではないか」
- 原告CUP編集ディレクター「Cambridge大学では生徒一人あたり1ページ17セント課金している」
- 専門家意見「出版社は高級ブランドメーカーと同じ事をしてきた。高い値段で一つのバージョンしか提供していない。出版社はコンテンツが分割可能であると言う事を理解していない。章ごとに販売した方が皆が幸せになれる。紙媒体のマーケットを破壊してしまうのを恐れているのではないか。」
- 専門家2(founder of the Internet Archive)「音楽業界がP2Pに対して行ったような状態になってしまわないだろうか」
感想
確かに、授業などで本の内容が含まれるプリントなどが配られる事がありました。 大学よりも中学や高校の方が多かったかも知れません。 当時は紙媒体しかありませんでしたが、最近は電子的に配りたくなるのかも知れません。
紙媒体でその場で配る分には2次配布などは心配しなくても良かったのでしょうが、電子媒体になると2次配布などが非常に容易になってしまったりするのが問題なのかも知れません。 何か、電子化されて便利になると不便になる(不都合になる)事って意外と多いですよね。。。
まとめ販売という方式のみではなく、章単位など分割して販売出来る体制があれば良いというのは賛成ですね。
あと、入試問題や過去問と著作権の問題に多少似ているのでしょうかも、とも思いました。
参考
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