ヒマラヤ氷河湖ウェブモニタカメラ [ORF2008レポート]
ヒマラヤの氷河湖の水位を計測し続けるウェブカメラが展示されていました。 「デジタルアジア構想と運用による地域戦略構想のための融合研究」の一環であるようです。 福井研究室での研究です。
地球温暖化の影響で形成されつつある氷河湖の決壊洪水を警戒し、発生前に検知する事によって被害を最小限に喰いとめる狙いがあるようです。 以下、Digital Asiaのサイトからの引用です。
近年、地球温暖化の影響が認識されるようになったため、極地の氷山溶解による海面上昇に注目が集まっている。しかし、極地以外で最も氷塊が多いのは、ヒマラヤの氷河であることはあまり知られていない。数千年にわたって、大量の氷河が流路を削り、険しい峡谷を形づくってきた。氷河は、インド亜大陸と東南アジアに住む13億人以上の飲料水源になっている。ヒマラヤは9つの主要河川の水源でもある。
ところが、このような氷河の溶解が加速する兆しが見えており、氷河が後退するにつれて、その跡に氷河湖が形成されている。溶解と侵食(永久氷河を崩して氷にする)の進行で、湖水を堰き止めるモレーン(氷堆積)が突然決壊する恐れがあるため、このような湖は、下流の峡谷の村落や都市にとって深刻な脅威になっている。このような突然の決壊は、氷河湖洪水と呼ばれる。このような破滅的な洪水は、山津波と呼ばれ、過去の事例は少ないが近年頻発している。溶解が進むにつれ、より壊滅的な洪水の発生が懸念される。
これらを背景として、慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所の福井弘道教授を中心に、三組織による研究プロジェクトが発足した。慶應義塾大学との協定に参加するのは、国際山地総合開発センター (ICIMOD)と ネパール国立公園・野生生物保護局(DNPWC)である。氷河湖決壊洪水の危険認識を促すため、これらの組織は共同で、潜在的に危険な湖を特定し、最も差し迫った危険のある湖にモニタリングシステムを設置している。
さらに、地球温暖化に関する調査に取り組みながら現地に対してインターネットコネクティビティを提供できるのも大きなメリットのようです。
慶應義塾大学福井教授は、「フィールドサーバのメリットは、直接の関係者だけでなく、地球温暖化と気候変化に関心のある人々にも理解しやすいことだ。しかし、重要なのは、インターネット接続だ。これによって、ICIMODとDNPWCの専門家が、カトマンズのオフィスから現地をリアルタイムでモニタリングできる。」と語っている。
2007年10月に日本チームが機材を設置してから現在まで決壊洪水は発生していないようです。 引き続き、モニタリングが続けられていくのだろうと思いました。
利用機材
利用されている機材が展示してありました。
フィールドサーバというものを使っているようですね。 展示会場で配布していた紙に書いてあったURLです「http://model.job.affrc.go.jp/FieldServer/」。
ヒマラヤにあるウェブカメラURLはこれですかね?「http://fsds.dc.affrc.go.jp/data4/Himalayan/」
最後に
色々な事を研究している人がいるんだなぁと思いました。
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この記事はORF2008レポートです。
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