GOOD Magazine
YouTubeを見ていたらGOOD (YouTubeチャンネル)という会社があることを知りました。 2006年頃に設立された会社のようですが、基本的な事業としては「よいこと」を世間に伝えることであるそうです。
YouTubeに投稿されているビデオを見ていると、この「よいこと」というのが様々な社会問題をフォーカスすることである場合が多いようです。 NGOなどと協力しながらテーマや内容を作っているようです。 このような会社が存在していて、それが2年ぐらい継続しているというのはアメリカぽいなぁと勝手に思いました。
数値を使った手法
ビデオを紹介されている社会問題の多くは、「何が悪い」とは言っていないものが多いです。 文献等から引用したと思われる数値が題材に沿って紹介されることが多いです。
例えば、イラク戦争にかかる費用が30兆ドル(1秒間5千ドル)になるという試算と、その内訳を紹介しているビデオがあります。
GOOD: The Hidden Cost of War
もちろん数値というのは、それを使いたい人の意図が非常に明確に現れるものであり、紹介者は自分の主張に最も一致する数値のみを強調する傾向があります。 ただ、恐らく、このように軽快な音楽に合わせて「数値」を提示する手法は非常に有効なんだろうと思いました。
このようなジャンルの映像は、アジテーションと広報との間で微妙なラインがあり、見る人の立場によって様々なのだろうと思いますが、今後YouTubeやその他動画投稿サイトを利用してこのような活動をする団体や個人は増えていくのだろうと思いました。
Creative Commonsも関わりがある?
レッシグ教授のブログでも話題になっていますね。
「GOOD Magazine主催パーティ:Lessig Blog (JP) - CNET Japan」にて以下のように記述されています。
GOOD は世界にイノベーティブで前向きな影響を与える人・アイデア・組織についての新雑誌で、20ドルの年間購読を申し込む際に提携の非営利団体からひとつを選ぶと全額がその団体に寄付されるというすばらしい企画Choose GOOD campaignを展開しています。つまり20ドルでGOOD誌の年間購読とクリエイティブ・コモンズへの寄付、パーティへの出席ができます。
購読料としての収入の一部がCCに還元されることもあるようです。
広告もやっているようです
オリンピックを題材としていて、lenovoの提供で制作/公開されているビデオもありました。
GOOD: Lords of the Rings
その他色々
その他色々ピックアップしてみました。
GOOD: Internet Censorship
インターネットと検閲を題材としています。 検閲制度とインターネットでの活動で逮 捕されたジャーナリストの数、検閲に協力しているアメリカ企業などが紹介されています。
GOOD: Immigration
アメリカと移民の問題に関してのビデオです。 国民全体における移民の割合が、1970年で21人に一人、1980年で16人に一人、1990年で13人に一人、現在は8人に一人が移民で約3分の1が不法滞在であるというような数値を列挙しています。 後半紹介される数値などを見ると、比較的批判的な内容だと感じました。
GOOD: Business of Death
葬 儀とビジネスに関しての動画です。 2008 Yahoo!Video Awardsを2008年4月に受賞しているようです。 日本に関して誤解している記述がある気がします。
GOOD: Water
水問題に関するビデオです。
GOOD: Oil Addiction
石油価格高騰に関するビデオです。
GOOD: N*Danger
絶滅危惧種を扱ったものです。 ラップ調の音楽に合わせて、絶滅危惧種動物が登場します。 最後の方で、狩をする人間が絶滅危惧種に逆に攻撃されています。
最後に
GOOD社が「主張」している事は、恐らく視聴する個人の立場によって賛成できるものや出来ないものなどが色々ありそうです。 しかし、このように「企業」という形を取りつつ、「主張」をするということを事業として継続できるというモデルがあるというのは非常に興味深いと思いました。
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