キンペコが産卵
我が家のキングロイヤルペコルティア(Hypancistrus sp.)、通称キンペコが産卵しました。 プレコにはまり始めてから1年半ぐらい経過しましたが、第一目標であるキンペコ産卵までやっと実現できました。
プレコの繁殖は「やや難」ぐらいとされていて、国内ではあまり繁殖例が多くありません。 しかし、最近はインペリアルゼブラが輸出禁止になって1匹5万円程度にまで価格が上昇したこともあり、繁殖に真面目に取り組む人が出てきて、繁殖方法が確立されつつあります。 そのため、プレコの繁殖例が毎月雑誌でちらほら紹介されるようになってきました。 あと5年もすれば、プレコの繁殖難易度は中程度以下になるのではないかと勝手に予想しています。
そして、今回、我が家のプレコちゃんが卵を産んでくれました。 産卵は、実は今回が初ではないのですが、以前のものはいかにも無精卵っぽくて産卵後2日ぐらいで直ぐにカビてしまいました。 今回は多少期待できそうなので、記事にしてみました。
このキンペコの産卵形態はなかなか興味深いです。 まず、雄が性的に成熟してくると、体がトゲトゲになりはじめます。 そして、奥が行き止まりの筒の中にテリトリーをかまえ始めます。
奥が行き止まりの筒というのが繁殖のポイントだと思われますが、インペリアルゼブラプレコの繁殖例が出始めるまでは、この事が知られていませんでした。 何故だかはわかりませんが、奥が行き止まりではない隠れ家では繁殖はしにくいようです。 恐らく、この事実が知られていなかった事がプレコの繁殖難易度を高めにしていたのであると予想しています。
雄が筒の奥でテリトリーを主張していると、そのうち成熟した雌が雄にアタックを始めます。 雌は好みの雄の筒の中へ果敢に突っ込みはじめます。 しかし、雄は中々雌を認めません。 最初は「来るなよ!」というような行動を取り続けます。
このような行動を数日間続けた後に、ついに雄が雌を受け入れます。 そして、数日後には卵が産まれます。 産卵が終わると、雌は筒から追い出されてしまいます。 その後の面倒は雄が単独で行います。 ここまで雄が亭主関白な魚というのも面白いと思う今日この頃です。
産卵は1ヶ月おきぐらいにしそうです。 面白いのは、一度ペアになったオスとメスでも、次の産卵では「入れてよ!」「くんなコラ!」を繰り返すことです。 さらに、生涯同じペアで産卵を続けるわけでもなく、その後に違う雌を受け入れていたりします。
以下の写真が卵を守っている雄です。 筒の奥が暗いので、あまりうまく撮影できていません。 雄の下に薄っすらとオレンジ色の卵が見えています。 この撮影後に、このキンペコは私に卵を取り上げられてしまいます。
プレコはディスカスのように実際に餌を子供に与えて育てたりするわけではないので、私は産卵直後に親から卵を取り上げてしまいます。 そして、カビてきた卵をピンセットで取り除く作業をチマチマと続けます。 これをしないと、たちどころに全ての卵がカビだらけになってしまいます。 自然な環境だと親が守っていれば大丈夫なのだろうと思いますが、20匹程の魚が狭い水槽でひしめく環境下では卵もカビ易いと思うのと、他のプレコに刺激されてしまって親が卵を食べてしまうかも知れないので、人工孵化方式を取っています。
以下の写真が卵です。 50個ぐらいです。 大きさは一つ2mmぐらいと大き目です。 前回と違い、無精卵っぽさがないので、多少期待しています。 無精卵だと、全体に白〜クリーム色になっていて透明感がありません。
以下の写真の中央にいるのが、今回の産卵に関連した雄個体の写真です。 13cm〜14cmぐらいの大きさです。 守っていた卵を私に取り上げられてしまった直後です。 (あまり真面目に撮影していないので、反射してますし、フラッシュで色が飛んでしまっています。。。)
次の関門は、卵がカビずに孵化するまでですかね。 うまくいけば今週末ぐらいには孵化すると思われます。 その後、孵化したものをある程度の大きさまで育てるという次の関門があります。 楽しみです。
もう少し詳しい内容を知りたい方へ
「プレコ王国:キンペコが産卵」で詳しい事を書いています。 興味がある方はご覧下さい。
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