Web 2.0起業を法的に失敗する方法
「Legal Suicide for Web 2.0 start-ups: A beginner's guide」という記事がありました。
原文は、Web2.0的企業についてブログを書いている筆者へ、EEF(Electronic Frontier Foundation)から「あなたがブログで取り上げている企業の半分ぐらいが著作権もしくはプライバシーに関する法的問題を抱えている」というメールを受け取ったという文章から始まっています。 著者は、もともとWeb2.0的ベンチャー企業が抱える法的な脆弱性が気になっていたらしく、メールを送ってくれたEEFの人と話し合って「Web 2.0 で法的に失敗する9つの方法」というまとめを書いています。
以下、その9項目の要約です。 アメリカ用の内容である気もしますが、視点が非常に面白かったです。 詳細は原文をご覧下さい。
1. セーフハーバーを無視
DMCAのセーフハーバールール(ここまでならば違法にならないよと規定されたもの)が適用されるようにするには、80ドルを支払って「copyright agent」になる登録が必要だそうです。 その登録をしていないと、セーフハーバーとして規定されている内容によって保護されないそうです。
2. 利用規定の無視
本来ならば再利用してはならないデータを他のサービスから取得して、再利用して公開してしまう事は法的に問題があります。
3. お涙頂戴に騙される
個人情報が集まってくると、それを狙う人が出てきます。 お涙頂戴話などのを信じてソーシャルエンジニアリングに引っかかり、個人情報を引き渡してしまうと個人情報の持ち主に訴えられます。
4. 全てのデータを保持し続ける
アメリカにはデータ保持に関する法的な規定がいくつかあります。 それを有効に利用するには、定期的に個人を特定可能なデータを消去するようにしましょう。 例えば、ログを取るときにIPアドレスの最後の8ビットをNULLで埋めるなどの方法があります。
5. 子供も利用可能になっている
COPPA(Children's Online Privacy Protection Act)の規定では13歳未満の個人に関する情報を収集することを禁じています。 子供を対象としていなければ、利用を制限しましょう。
6. 印刷された媒体に手を伸ばす
電子媒体はCommunications Decency Actの230章により名誉毀 損裁判から保護されます。 印刷された媒体に手を伸ばすと、この法が適用されなくなります。
7. わいろを絶対に払わない
特許ゴロとの訴訟合戦は浪費します。 対価を支払った方が早く、安く解決する場合が多いです。
8. 警察に協力する
オンライン関連法に不慣れな地元警察官が個人的にやってきて情報を求めた場合にどうすべきか考えておきましょう。 一度情報を提供すると、もっと深入りを要求される場合があります。 弁護士と相談するのが良いでしょう。
9. 安全地帯にいると信じている
危険地帯に踏み出す時を認識するようにしましょう。 しかし、安全だと思っていても何らかの法律を既に犯してしまっている可能性はあります。
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