迷惑メールを出して株で儲ける人たちに関する論文
「The Effect of Stock Spam on Financial Markets」という論文では迷惑メールによる風説の流布と株価への影響に関して考察しています。 こういう目的で迷惑メールを送っている人っているんだぁと思いました。 内容としては結構色々調べていて面白い論文でした。
この論文では迷惑メールを大量に集めて、そのうち株に関するものに注目しています。 受け取った迷惑メールのうち3%が株に関するものだったらしいです。 論文では、それらの迷惑メールとそこで宣伝してある銘柄を比較して株価の推移を見守っています。 結果、迷惑メールと株価の変動に相関があったと結論付けていました。
上記論文によると、この種の迷惑メールには3種類の登場人物像があります。 便乗しようとする人がいるというのが笑えました。
- 迷惑メールを大量って、株価の操作を狙う人
- 迷惑メールに書いてある事を信じてしまう人
- 迷惑メールに便乗して儲けようと考える第3者
論文によると、迷惑メール送信者は出来るだけ安くて流動性が低い銘柄を狙って風説の流布を行うらしいです。 流動性が低い銘柄ほど少ない売買で株価が変動するかららしいです。 迷惑メールの大量送信で指名された株は一瞬値上がりしてその後値下がりしてしまうそうです。
結果を見ると迷惑メールは長期的には株価に影響を与えないそうです。 ただ、迷惑メールで指名されてしまった株は結果として値下がりしてしまったという事例もあるそうです。
この論文では、知らない人からの株に関するアドバイスを信じてしまう人が結構いることを問題として挙げています。 これが株ではなく、どこかの銀行が破綻してしまうというデマに置き換えると、それにより騒ぎが発生して連鎖反応的に経済に悪影響を与える可能性があると論じています。 (ただ、可能性は低いと書いてありましたが。) このようなシナリオは経済やサイバーテロ防衛におけるアジェンダとして取り上げるべきだと書いてありました。
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