コンピュータが得意じゃない中小企業経営者にWebサイトノウハウを教える難しさ

2006/10/3

最近、知人のネットショップ製作の助言をする事があります。 知人はメールの読み書きや、Home Page Builderでネットショップを作るぐらいの力量です。

こうやったら良いよ、とか、世の中こういう技術があるよといった感じの話を色々するのですが、物事を伝える難しさというのを非常に感じます。 例えば、ネットショップでの検索エンジンの重要性や、ページのデザイン、ユーザビリティ、アクセスログ解析など色々説明しました。 どれもその場ではわかってもらえたと思える返答をもらえるのですが、結局、数日後に話してみるとほとんど理解していないという事に気づきます。

何が原因か色々考えると、恐らく、お互いの前提がかけ離れすぎているためであると思い始めました。 例えば、このサイトを読んでいるようなマニアックな人には、検索エンジンが何であるか、アクセスログが何であるかなどを説明する必要はありません。 恐らく、それらはここでは前提として良い事柄になります。

ですが、コンピュータをほとんど使わない人にとっては、それらは前提ではありません。 何の事だか良くわからない単語です。

全くわからなくてチンプンカンプンな場合はわからないと言ってくれて説明すれば良いのですが、変な勘違いをしていると話が複雑化します。 こちらの前提とあちらの前提が全く違ったものになっていて、話だけ通じている雰囲気ができあがります。 そして、後日すれ違いが発覚するまではお互いに話が通じていると信じ込んだまま時間が過ぎていきます。

前提が違う事による勘違いで発生する極端な例を考えてみました(注意:Webとは関係ありません)。 ネットワーク機器が大量にあるサーバルームで「ATMカード持っている?」と聞いて相手が「持っているよ」と答えたとします。 「じゃあ持ってきて」と言います。 持ってきてと言われた方は不思議そうに銀行のキャッシュカードを持ってきたとします。 で、持ってきてと言った方は「Asychronous Transfer ModeのPCIカードが欲しかったのに!」と言います。 完全なすれ違いです。

前提が同じような人同士では、このような問題はあまり発生しません。 ただ、前提が同じような人はWebサイトに関する知識を既に持っている場合が多いのと、持っていなければ自分で身に付けるノウハウを持っています。 結局、前提が異なる人ほどWebサイト製作に関しての助言が必要になってくる確率が高くなります。 でも、助言をしても中々理解をしてもらえない、結局家庭教師から始めるしかなくなる、という状況になりがちです。

うーん。難しい。

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