IPアドレス
通信を行うためには各機器を識別しないといけません。 インターネットでは、IPアドレスと呼ばれる識別子を利用して各機器を識別します。 ここでは、IPアドレスについて説明を行いたいと思います。
識別子としてのIPアドレス
IPアドレスは32ビット(4バイト)で表現されます。 32ビットで表現できる数値は10進数で0〜4294967296(42億9496万7296、43億弱)です。 このような大きい数字で人間がIPアドレスを扱うのは現実的ではないため、人間が扱う時は8ビットずつを4つに区切って表現します。 例えば、11.22.33.44のような表記方法になります。 4つに区切られた各桁は8ビット長なので、それぞれ、0〜255の値をとります。 そのため、IPアドレスとして表現可能な値は0.0.0.0〜255.255.255.255になります。
IPアドレスにはクラス(class)と呼ばれる分類がありますが、obsolete(時代遅れ)なので説明は割愛させて頂きたいと思います。 詳しく知りたいという方はこちらをご覧下さい。
現在利用されているIPプロトコル(インターネットプロトコル)はバージョン4です。 次世代IPプロトコルであるIPバージョン6(IPv6)では、IPアドレスが128bitで表現されます。
IPアドレスの種類
IPプロトコルには以下の3種類の通信方法あります。 それぞれ、利用するIPアドレスが異なります。
ブロードキャスト
名前の通り、全てのノード(機器)に対して送信されます。 現在接続されているサブネットにのみ送信される255.255.255.255が最も一般的です。 DHCPなど、多くのプロトコルが255.255.255.255を利用しています。
遠隔のサブネットに対するネットワークブロードキャストもあります。 ただし、セキュリティ上の理由から現在はほとんど利用されていません。
現在ではローカルセグメントでのブロードキャスト以外はほとんど利用されていません。 また、ブロードキャスト機能のほとんどはマルチキャストでも実現可能であるため、次世代インターネットプロトコルであるIPv6にはブロードキャストはありません。
マルチキャスト
マルチキャストは、複数の必要な人に届きます。 IPアドレスの最初の4ビットが1110で始まるものはマルチキャストアドレスになります。 具体的には、224.0.0.0〜239.255.255.255がマルチキャストアドレスになります。
マルチキャストの詳細に関してはこちらをご覧下さい。
ユニキャスト
最も一般的な通信方法である、1対1の通信です。 ブロードキャストアドレス、マルチキャストアドレス以外のIPアドレスは全てユニキャストアドレスです。 このページでは、以後、特別に記述しない限りユニキャストに関しての説明を行います。
番号の割り当てはICANN (The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers, IANA/Internet Assigned Numbers Authority)という組織が行っています。
IPアドレスの一意性
インターネット上の個々の機器を識別するためにIPアドレスは一意である必要があります。 そのため、IPアドレスは重複せずに割り振らなければなりません。 IPアドレスの重複を防ぐためにIPアドレスの割り振りはICANNにより一括管理されています。 IANAは、NIR(National Internet Registry)と呼ばれる非営利団体を通してIPアドレスを割り振りしています。 日本ではJPNICがIPアドレスの割り振りを行っています。
プライベートアドレス
インターネットとは関係なく、ローカルなネットワークにIPを使って通信を行うプライベートネットワークを作る場合には、NICにより割り振られた世界的に一意なIPアドレスを使う必要はありません。 そのような場合のためにプライベートアドレスが用意されています。
以下のIPアドレスはプライベートアドレスとして閉じたネットワーク内で利用ができます。 プライベートアドレスはインターネット上に存在しないアドレスです。
プライベートアドレス割り当て可能範囲 | ||
10.0.0.0 | 〜 | 10.255.255.255 |
172.16.0.0 | 〜 | 172.31.255.255 |
192.168.0.0 | 〜 | 192.168.255.255 |
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