ノンブロッキングソケット

ここでは、ソケットをノンブロッキング状態にする方法を説明したいと思います。

ノンブロッキングでUDPパケットの受信を待つサンプル

通常設定では、recv関数はデータが届くまでブロッキングします。 複数のソケットを扱うプログラムや、その他入力と併用するようなプログラムではブロックさせずにrecv関数を使いたい場合があります。 Linuxでは、ioctl関数にFIONBIOを渡すことにより、ブロッキング/ノンブロッキングの設定を行えます。

ノンブロッキング状態に設定したソケットでデータが無い時にrecv(もしくはread,recvfrom)を行うとrecv関数はエラーを返します。 recvがエラーを返した時のerrnoの値がEAGAINである場合には、ただ単にデータが無いという事をあらわしています。 errnoは、int errnoとして宣言されているグローバル変数です。 エラーが発生した時にエラー内容を知らせる値がセットされます。

下記サンプルでは、データが無いときには「まだ来ない」と表示し、1秒間待つという処理をしています。 下記サンプルはUDPのポート12345番にデータを受信すると、終了します。 下記サンプルへのUDPでのデータ送信には、UDP送信サンプルで示した物をご利用ください。


#include <stdio.h>
#include <sys/types.h>
#include <sys/socket.h>
#include <sys/ioctl.h>
#include <netinet/in.h>

int
main()
{
 int sock;
 struct sockaddr_in addr;

 char buf[2048];
 int val;
 int n;

 sock = socket(AF_INET, SOCK_DGRAM, 0);

 addr.sin_family = AF_INET;
 addr.sin_port = htons(12345);
 addr.sin_addr.s_addr = INADDR_ANY;

 bind(sock, (struct sockaddr *)&addr, sizeof(addr));

 /*
   ここで、ノンブロッキングに設定しています。
   val = 0でブロッキングモードに設定できます。
   ソケットの初期設定はブロッキングモードです。
 */
 val = 1;
 ioctl(sock, FIONBIO, &val);


 while (1) {
	memset(buf, 0, sizeof(buf));
	n = recv(sock, buf, sizeof(buf), 0);
	if (n < 1) {
		if (errno == EAGAIN) {
			/* まだ来ない。*/
			printf("MADA KONAI\n");
		} else {
			perror("recv");
			break;
		}
	} else {
		printf("received data\n");
		printf("%s\n", buf);
		break;
	}

	/* とりあえず一秒待ってみる */
	sleep(1);
 }

 close(sock);

 return 0;
}

ioctl関数の使い方はUDPとTCPで変わりません。 ここでは、説明のためにUDPソケットを利用しましたが、ioctlはTCPソケットでも利用できます。

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