.inドメイン名停止とwhois公開代行

2013/4/30-1

今日(4月30日頃)、一部の人々の間で「うちのWebサイトで使ってる.inの名前解決が出来なくなった!」という悲鳴が聞こえています。

数年前、インドのccTLD(country code Top Level Domain)である「.in」を日本国内のWebサービスで使うのが流行しました。 「.in」は「イン」と読めるため語呂が良く、個人が気軽にWebサイトを作ったときに、ドメイン名も同時に登録するというのが流行ったわけですが、そのときにwhoisで世界に向けて連絡先(個人であれば氏名住所電話番号の場合もあり)を公開されるのは嫌だということで、whois情報公開代行サービス(もしくはプライバシー保護サービス)を使うというのが割と一般的に行われていました。

しかし、その.inのレジストリであるINRegistryが、whois情報公開代行サービスを利用しているドメイン名を次々と停止しているようです。 停止されたドメイン名を復帰するには、レジストラ(notレジストリなので注意)が提供するwhois情報公開代行サービスの利用をユーザが停止し、登録者自身の連絡先を記載する必要があるようです。 ただ、世界中の誰であっても、そこに記載された住所氏名電話番号を閲覧可能になるのでご注意下さい。

INRegistryが公開している登録者向けの規約を見ると、.inでは一切のwhois情報公開代行サービスを禁止しているとあります。

TERMS AND CONDITIONS FOR REGISTRANTS (PDF)
3. Proxy/Privacy Services: Any kind of proxy services are not allowed, and if the data is wrong or masked out by any proxy/privilege protection services, the Registrant shall not be recognized as the owner of the domain name.

で、.inの話は.inで終わるインドのドメイン名に限定された話ですが、もしかしたら、今後はwhois情報公開代行サービスが世界的に制限されていく流れになる可能性もありそうです(いきなり「禁止」までは行かなそうだと推測しています)。 ICANNが昨年末に、whois情報公開代行サービスに関する調査を行っており、いままさに世界的な議論が行われているところのようです。

会社の住所という一種のproxyを持たない個人やフリーランスにとっては、whoisでの住所情報公開の義務化は割と痛かったりもするわけですが、もしも登録者にきちんと連絡がとれないwhois情報公開代行サービスが横行した場合、whoisのそもそもの目的が果たせなくなってしまう、という背景もありそうです。

この動きが世界的にどこまで広がるのかや、日本の.jpでの扱いがどうなるのかなどが気になる今日この頃です。

追記

各社からお知らせが出ています。

追記2

最近のエントリ

過去記事

過去記事一覧

IPv6基礎検定

YouTubeチャンネルやってます!