Cisco、2017年のモバイルトラフィック予測を公開

2013/2/7-1

Cisco Visual Networking Index最新版の記者発表会が都内で開催されました。 今回公表されたのは、2012年から2017年までのモバイルトラフィックに関するものです。 こういった発表はアメリカで行われた後に、日本向け記者説明会が行われるパターンが多い印象がありますが、VNI最新版発表は日本会場で行われつつUstream中継されていました。

日本で発表が行われた理由として、日本がモバイルインターネットの将来を予測するうえで要となるような地域であることがあげられていました。 発表の途中でも、日本におけるモバイルトラフィック成長率は、先進国中で最も大きかったと述べられていました。

今回公表されたVNI見所の紹介は、シスコシステムズ サービスプロバイダー マーケティング担当、バイスプレジデント ダグ・ウェブスター氏より行われました。

今回の個人的に興味を持ったポイントとしては、1)モバイルトラフィックは凄く増えている、2)スマホとタブレットのトラフィックが増える、3)LTEやWiMaxのトラフィックが増える、4)モバイルトラフィックを有線網へとオフロードするこのと重要性が増す、などでした。

主要予測値

全世界のモバイルトラフィック予測は、以下のようにまとめられていました。

  • 2017年には、全世界のモバイルデータトラフィック量が11.2Ebs/月に到達(134Ebs/年)。2012年のモバイルデータトラフィックは前年比70%増加。
  • 2012年に33%だったモバイルトラフィックのオフロードが、2017年には46%に拡大。
  • 全世界のモバイルネットワーク速度は2012年に2倍になり、2017年にはさらに7倍高速化。4G接続が占める割合は45%まで拡大。
  • 2017年には、世界人口(76億人)が1台以上のモバイルデバイス(103億台)をネットワークに接続。

過去の予測と実際

過去の予測と実際のトラフィック量を比べたグラフも紹介されていました。 2009年時点で行われた2012年の予測と、2012年における試算結果の誤差は10%以内であったそうです。

モバイルトラフィックの増加

最新版でのモバイルトラフィックの増加予測が紹介されていました。

  • 全世界のモバイルデータトラフィックは2012年から2017年にかけて13倍に増加する見込み
  • 地域別に見ると、2012年から2017年に最も成長率が高いのは、中東およびアフリカ地域(77%)
  • 2017年までにアジア太平洋地域が全モバイルデータトラフィックの47%を生成するようになる
  • 日本のモバイルトラフィックは2012年から2017年にかけて14倍に増加する見込み
  • 日本は全世界の接続の2%(トラフィックの16%)を占めるようになる

スマホとタブレットのトラフィック

2012年時点では、ノートPCによるトラフィックが大きな割合を占めていますが、2017年にはノートPCによるトラフィックは全体の14%まで減少するだろうと予測しています。 さらに、今年のうちにノートPCが全体の半分以下になるとも予測されており、今年がまさに転換点(tipping point)であると述べられていました。

デバイスの種類別に2012年と2017年の予測を比べたものとして、以下の値が紹介されていました。

Device Type 2012 2017
Nonsmartphone 6.8 31
M2M Module 64 330
Smartphone 342 2,660
4G Smartphone 1,302 5,114
Tablet 820 5,387
Laptop 2,503 5,731

LTEとWiMaxトラフィックの増加

LTEとWiMaxを「4G」と呼び、それらが今後増えて行くという説明もされていました。 4Gでは、通信速度(帯域)が増えることで、スマホ等での動作が早くなり、人々がより多くのことをするようになるので、トラフィックも増えると述べられていました。 そのため、4Gの普及率が2017年に10%だとしても、そこでのモバイルデータトラフィックは全体の45%になるだろうとありました。

日本では、他の地域と比べて4Gの普及が早いと予測されています。

有線網へのオフロード

WiFiを経由した有線へのモバイルトラフィックオフロードが増えるという予測も行われていました。

2012年にはモバイルトラフィックの33%がオフロードされており、2017年には46%になるとあります。

IPv6対応デバイス

記者発表会では紹介されませんでしたが、Cisco VNI原文を読むと、最後にIPv6対応デバイスに関する試算もあります。

2012年時点では世界中のモバイルデバイスの14%がIPv6対応可能であり、2017年には41%がIPv6対応可能となるとあります。 ただ、これは機器の機能として「IPv6対応可能」なのであって、「IPv6で通信をしている」ではないだろうと思われる点については注意が必要だろうと思いました。

さらに詳細を知りたい方は、

さらに詳細な情報に興味がある方は、Cisco VNIの原文をご覧頂ければと思います。

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