SDNよりもNFVの方が面白く感じるかも
去年ぐらいから情報通信業界ではSDN(Software Defined Networking)が話題です。 展示会に行けば、みんながSDNについて語っているようにも思えてしまいますし、実際に「SDN」という単語が入っている講演や展示に来場者が凄い勢いで集まっています。 SDNのビッグウェーブに乗るか乗らないかと言えば、乗らないと損であることが容易に想像できる状況です。
ただ、これまでなんかずっとSDNがワクワクできない感じが続いていました。 個々の技術や考え方は凄く面白かったりするのですが、全体としてSDNの話を聞いていても、何か釈然としない感じというか、モヤモヤした感じがあったわけです。
で、ついさっき「あ!こういうことか!?」みたいなものが自分の中で発見できたような気がしたので、嬉しくなって文章を書いています。
自分の中での発見のきっかけ
私がそういったことを思ったきっかけは、さくらインターネットによるVPSサービス大規模アップデートのプレスリリースを見たところから始まります。
ユーザがVPSに対して最大10セグメントまでローカルネットワークを構築できるというものです(しかも無料!)。 これを見ながら、「あー、このサービスって裏側は何で作ってるのだろう?」ということをまずは考えて、そのうえで、「これってきっと、このVPSローカルネットワークシステムはSDNと言えそうだなぁ」みたいなことを考えました。
ただ、そう考えると、SDNってユーザには見えない部分にならざるを得ないことが多いなぁと思いました。 ユーザとしては、複数VPSのために必要な数だけローカルネットワークが使えれば良いのであって、それを実現している舞台裏がSDNであるかないかはどうでも良い話とも言えそうです。
ユーザという立場の自分
最近徐々に文章書きとして生活を成り立たせることに限界を感じ始めていることもあり、今書いている書籍二冊を終わらせたら、来年中旬ぐらいからはソフトウェア開発に戻ろうかなぁみたいなことも多少考え始めています。 それに伴ってWeb運用技術などの勉強も少しずつ開始しています。
その中で、やっぱりAWS(Amazon Web Services)って凄いよなぁとか思ったりするわけです。 その一方で、個人としてWebサービスを運用する前提で考えると、さくらのクラウドとかNTTコミュニケーションズのCloudnなどの国内クラウドにも魅力を感じます。 (もうちょっと真面目に調べたら、他にも個人が利用できる価格帯での魅力的な国内クラウドはありそうですが、いまのところ魅力を感じているのがこの二つということで)
で、私が国内クラウドを見ていてサービスで着目しがちな部分って、価格やロードバランサなどの仮想アプライアンスやCDNサービスで何がどうやってできそうかの部分だったりします。 DDoS攻撃対応をお願いするときの費用や、そもそもお願いできるのかどうかも気になります。
こういった部分って、事業者がそのサービスを実現するためにシステムを構築する部分はSDNなのかも知れないのですが、ユーザから見ると個々のサービスそのものは「ネットワークの機能」なんですよね。 しかも、こういうのって、SaaSとかPaaSとかIaaSとは、また多少違った軸上にあるものというイメージもあります。 で、今年に入ってぐらいから言われているバズワードとして「NFV(Network Functions Virtualization)」というのがあるのですが、私が国内クラウドを検討するときに目が行くのって、きっとNFVの概念に入る部分じゃないかなぁと思ったわけです。
そう考えると、場合によっては、NFVを実現する手法としてSDNが存在しているかも知れないけど、ユーザが触れるのはNFVの部分だろうと思い始めました(解釈が間違ってたらごめんなさい)。 そのうえで、SDNの実現方法そのものは企業秘密となっていて表に出てこないけど、ユーザが触れるNFVに関しては、各事業者の「クセ」が露骨に表面化するので比べるのが楽しいだろうなぁという感じです。 これまでのホスティングサービスでの事業者毎の「クセ」に似たような感じで、今後はネットワーク機能であるNFV部分が各クラウド事業者の「クセ」として出そうだなぁ、もしくは、既に出ているなぁ、という感想かも知れません。
ということで、今の私はSDNよりもNFVの方に魅力を感じているんじゃないかと思い始めた今日この頃です。
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