総務省「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算」2012年5月時点の集計結果公表
総務省が「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算 2012年5月時点の集計結果」を公表しました。 今回の集計結果は日本国内インターネットトラフィックが増加しているというもので、2010年初頭に発生したような顕著な変化があるわけではありませんが、現状を知るために非常に参考になる資料です。
今回の集計結果の主な特長は以下のようになっています。
- 我が国のブロードバンドサービス契約者の総ダウンロードトラヒックは推定で約17T(テラ)bps。半年間で約1.1倍(8.1%増)となっている(年換算で約1.2倍(16.2%増))。また、総アップロードトラヒックは推定で約658Gbps。
- 1契約当たりのトラヒックは、ダウンロード・アップロードともに2010年5月集計時に減少。その後ダウンロードは増加に転じている。
- 協力ISPのブロードバンドサービス契約者のダウンロードトラヒックは増加している。 ブロードバンドサービス契約者の時間帯別トラヒックのピークは19時から23時にあり、土曜日、日曜日は日中利用も多い。
- 国外ISPから協力ISPに流入するトラヒックは、増加し続けており、2011年5月からの1年で約1.3倍(25.6%増)となった。
- 協力ISPから国外ISPへ流出するトラヒックと比べると、約3.0倍(2011年5月時点では約2.6倍)である。
今回の集計結果を見るうえで注意が必要なのが、2011年後半からデータの取得方法が少し変化している点です。 2011年5月までの分は、モバイルトラフィックも合計して集計が行われていましたが、それ以降はモバイルトラフィックが除外された集計になっています。 そのため、2011年後半で大きくトラフィックが減っているようにも見えますが、モバイルトラフィックも合計した従来の手法では、恐らく増加し続けているものと思われます。
1契約当たりのトラヒックの推移、「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算」より
今回の集計で個人的に楽しみだったのが、今年前半に発生したMegaUpload強制閉鎖とそれに関連して各種ファイル共有サイトがアフィリエイトを停止したことがどれだけの影響を与えていたかです。 このグラフを見る限りは、2012年前半に大きく減少しているようには見えません。 MegaUploadが発生させていたインターネットトラフィックは、大体数%程度であったという話もありますし、強制閉鎖数週間後にはトラフィックが戻っていたという話も聞きます。
MegaUploadの強制閉鎖が日本国内のインターネットトラフィックに影響を与えていたとしても、今回の総務省集計で一目瞭然なほどのものではなかったと言えそうです。 ただ、前回と今回の集計結果を比べると伸びの勢いが鈍化しているようにも見えるので、もしFBIによるMegaUpload強制閉鎖がなかったら、もっと凄くインターネットトラフィックが増加していた可能性も捨てきれないような気もします。
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