Akamai、IPv6適応化サービス開始を発表
Akamaiが6月6日のWorld IPv6 Launchにあわせて、IPv6適応化サービス開始を発表しました。 同社IPv6適応化サービスは、顧客のためにAkamaiがIPv4→IPv6プロキシを行うようなものなので、顧客は従来通りのIPv4環境を使い続けながらIPv6対応が可能となります。
これまで、同社のIPv6適応化サービスはベータ版だったので、利用可能な機能が制限されていたり、サービスを申し込める顧客も限定されていました。 今回の発表は、IPv6最適化サービスが正式サービスとして申し込めるようになったというものです。
2011年2月17日に行われたプレス発表の資料より
GoogleのAAAA非表示リストも活用
今回発表されたAkamaiのIPv6適応化サービスには、IPv4へのフォールバック問題を回避する機能が備わっています。 その機能として、IPv6での通信を行わない相手に対してはAAAAレコードを返さないというものも含まれているようです。
どの相手に対してAAAAを返さないかのリストとしては、Googleが公開している非表示リストも使われるとのことでした。 また、この他にもパフォーマンスを見てAkamaiが独自に判断をすることもあり得るようです。
SSL対応
今回のプレスリリース文には「HTTPおよびHTTPSをサポートしています」と、さらっと書いてありますが、SSL対応もひとつのポイントだそうです。
バーチャルホスト機能を利用すると複数のFQDNを一つのIPアドレスで運用できるようになりますが、TCP/IPはIPアドレスを利用して通信を行うため、TCP接続が確立した後のHTTPプロトコルではじめてFQDNに関する情報を得られます。
基本的なSSL通信では、証明書を利用して通信相手の認証を行いつつ接続を確立しますが、HTTPによるFQDN情報を得られる前に接続が確立されるので、バーチャルホストが行われていると適切な証明書を選ぶことができません。 そのため、HTTPSを利用するときにはName Basedなバーチャルホストを利用せずに、一つのIPアドレス毎にバーチャルホストを設定することが多いです。
接続確立時点でホスト名を通知して適切な証明書を利用できるようにするSNI(Server Name Indication)というSSL/TLS拡張もありますが、全てのブラウザが対応しているわけではありません。
こういった背景から、IPv6適応化サービスがSSLに対応したのは大きな意味があるとのことでした。
とはいえ、個人的な感想としては、SNIが流行るのが先か、それともIPv6が流行るのが先か、という感じな部分も多少はあります。 どちらにせよ、IPv4でもHTTPSの運用は引き続き必要でしょうし。。。
サービスの対応範囲
今回のIPv6適応化サービスは、主にWebが対象のようです。
Web以外のサービスとしては、プログレッシブダウンロードが対応していますが、その他のFlashなどのストリーミングは現時点では未対応とのことでした。
管理用ポータルのIPv6対応
Akamaiサービスを利用している顧客が、利用状況等を把握できる管理用ポータルの中にIPv6に関する情報を把握できるページが増えたこともポイントのひとつだそうです。
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