新gTLDに対する各国政府からの事前警告
新gTLDに対する各国政府(GAC/Govermental Advisry Committee)からの反対意見がGAC Early Warningとして公開されています。 今回公開されたのは、フォーマルな反対意見ではなく、あくまで「事前警告」であるため、直接的に何らかの行動がおこされるものではありません。 また、GACによる意見は、あくまで「ICANNに対するアドバイス」であり、強制力はありません(参考)。 しかし、これらを完全に無視することは恐らく難しいと思われるので、何らかの影響はありそうな気もします。
オーストラリアが大量に事前警告を発行
今回非常に特徴的なのはオーストラリアです。 オーストラリアは129の事前警告を出していますが、一般的な用語全てに対して出しているように見えます。 漢字やカタカナによるgTLDにも事前警告を出しています。
これを見ると、一般的な用語をトップレベルドメインにするのは適切ではないと言っているように見えます。
米国からの事前警告
米国が出している事前警告は4つです。
「.army」「.airforce」「.navy」という軍と関連する単語に対してです。 上記3つのgTLD申請に対して、インドとオーストラリアも反対しています。
その他、Radix Registryが提出している31の単語に対して警告しています。 Radix Registryの申請書にFBIによるメールが参考資料として不適切に添付されているというのが理由です。
日本からの事前警告
日本は2つの事前警告を提出しています。
「.date」は、「ダテ」と読むことが可能であり、日本に存在する地名です。 日本政府による意見では、.dateの申請を行った組織は、地名である「.date」に関して、申請前に事前に福島県伊達市と北海道伊達市の承認を得たわけではなく、それらの市の許可を得ずに認可されるべきではないとしています。
「.政府」は、日本語および中国語で政府を意味しているため、インターネットユーザを混乱させるとしています。 「.政府」は、香港も反対していますが、そちらでは「申請者は.政府の申請を撤回すべきである」としています。
その他いろいろ
- イギリスが「.rugby」に反対
- イタリアが「.roma」の撤回を強く要求
- スイスが「.swiss」に反対
- 「.patagonia」に対してアルゼンチンとチリが反対
- 「.hotel」にフランス、ドイツ、オーストラリアが反対
- 「.health」にベナン、カメルーン、フランス、マリが反対
- 「.islam」と「.halal」にUAEとインドが反対。インドは「.bible」にも反対
- 中東・アラビア湾岸地域における地域協力機構である湾岸協力会議(Gulf Cooperation Council)の頭文字と同じであるとして、バーレーン、オマーン、UAE、カタールの連名で「.gcc」に反対
- 「.delta」がナイジェリアの地域名であるとして反対
- 「.amazon」にブラジルとペルーが連名で反対
- 「.africa」に対して、17カ国が反対
- その他、いろいろ
さてどうなるか
New gTLDsは、初の試みであるため、まだどうなるのか誰もわかりません。 さて、どうなるのでしょうか?
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