不動産電話勧誘うざい
ある日、突然不動産勧誘の電話がかかって来ました。 「いりません」「興味ありません」を繰り返しても、いっこうに電話を切らずに「あと3分」とか「何で興味がないんですか?」とか言いながら無理矢理話を続けます。
さらに驚いたのが、電話を切った数日後に同じ人物がかけてきたことです。 最初に電話をうけたときにガチャ切りしないで中途半端に話をさせたので、カモだと思われたんだろうと予想しています。 もう最悪です。 今回の事例以外にも不動産勧誘の電話がちらほらかかってきますが、基本的に不動産勧誘電話はどれも最悪です。
あまりにしつこくて嫌になったので、Twitterで「不動産電話勧誘うざい」と書いたら、色々と反応がありました。 中でも、そもそも断った後に再度電話をかけることそのものが「特定商取引に関する法律」に違反する違法行為であることを知れたのは良かったです。
断っても何度も電話をかけるのは違法
今回初めて知ったのですが、断った後に電話をかけて来るのは違法行為なんですね(追記しました。不動産は特定商取引法の対象外となっているようです)。
「特定商取引に関する法律」の「第四節 電話勧誘販売」にある第十七条には以下のように書かれています。
(契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する勧誘の禁止)
第十七条 販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売に係る売買契約又は役務提供契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。
さらに、第十六条を見ると勧誘前に氏名を告げなければならないとあります。
今にして思えば、過去に電話をかけてきた多くの不動産迷惑勧誘業者がこれに違反していました。
何も言わずにいきなり将来設計の話をし始める迷惑電話はアウトです。
名字だけを名乗るというのもよくありますが、法的には「氏名」とあるので名字と名前の両方を名乗らないとアウトだったりするのでしょうか?
(電話勧誘販売における氏名等の明示)
第十六条 販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売をしようとするときは、その勧誘に先立つて、その相手方に対し、販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称及びその勧誘を行う者の氏名並びに商品若しくは権利又は役務の種類並びにその電話が売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げなければならない。
余談ですが、迷惑メールに関しては、「未承諾広告※」とタイトルに入れつつ二度とメールを送らないような処理が可能であれば合法だったのですが、2008年に本人が望まない迷惑メールを送信することは違法となり、罰金上限も3000万円まで大幅に上昇しました(今でも「オオアリクイに主人を殺された」というようなナイジェリアメール系の外国からのSPAMメールは届きますが、日本国内での迷惑メールは最近あまり受け取ってません)。 個人的には、不動産勧誘電話も迷惑メール同様にオプトインにしてもらいたいぐらいです。
NTTのサービスを利用する
基本的なところでは、ナンバーディスプレイ、ナンバーリクエスト(非通知拒否サービス)、迷惑電話おことわりサービスなどを利用するという方法が良いようです。
他、面白かった意見
- 「私は大学生ですが、いいんですか?」と言ったら向こうから切られた
- 「私も同業者です」と伝える
- 英語、フランス語、ドイツ語、その他日本語ではない言語で留守番電話応答メッセージを入れておく
迷惑な不動産勧誘電話の断り方にも色々なバリエーションがあるようです。
追記
特定商取引に関する法律の第二十六条を見ると、金融商品、旅行業、不動産は対象外のようです。
第二十六条 前三節の規定は、次の販売又は役務の提供で訪問販売、通信販売又は電話勧誘販売に該当するものについては、適用しない。
(...中略...)
八 次に掲げる販売又は役務の提供
イ 金融商品取引法 (昭和二十三年法律第二十五号)第二条第九項 に規定する金融商品取引業者が行う同条第八項 に規定する商品の販売又は役務の提供、同条第十二項 に規定する金融商品仲介業者が行う同条第十一項 に規定する役務の提供、同項 に規定する登録金融機関が行う同法第三十三条の五第一項第三号 に規定する商品の販売又は役務の提供、同法第七十九条の十 に規定する認定投資者保護団体が行う同法第七十九条の七第一項 に規定する役務の提供及び同法第二条第三十項 に規定する証券金融会社が行う同法第百五十六条の二十四第一項 又は第百五十六条の二十七第一項 に規定する役務の提供
ロ 宅地建物取引業法 (昭和二十七年法律第百七十六号)第二条第三号 に規定する宅地建物取引業者(信託会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律 (昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項 の認可を受けた金融機関であつて、宅地建物取引業法第二条第二号 に規定する宅地建物取引業を営むものを含む。)が行う宅地建物取引業法第二条第二号 に規定する商品の販売又は役務の提供
ハ 旅行業法 (昭和二十七年法律第二百三十九号)第六条の四第一項 に規定する旅行業者及び同条第三項 に規定する旅行業者代理業者が行う同法第二条第三項 に規定する役務の提供
不動産に関する電話勧誘の記述があるのが「宅地建物取引業法施行規則第16条の12第1号のハ」です。
第十六条の十二 法第四十七条の二第三項 の国土交通省令で定める行為は、次に掲げるものとする。
一 宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、次に掲げる行為をすること。
イ 当該契約の目的物である宅地又は建物の将来の環境又は交通その他の利便について誤解させるべき断定的判断を提供すること。
ロ 正当な理由なく、当該契約を締結するかどうかを判断するために必要な時間を与えることを拒むこと。
ハ 電話による長時間の勧誘その他の私生活又は業務の平穏を害するような方法によりその者を困惑させること。
二 宅地建物取引業者の相手方等が契約の申込みの撤回を行うに際し、既に受領した預り金を返還することを拒むこと。
三 宅地建物取引業者の相手方等が手付を放棄して契約の解除を行うに際し、正当な理由なく、当該契約の解除を拒み、又は妨げること。
特定商取引法よりも随分と要件が緩いように思えます。 不動産の勧誘電話に関しては断られた相手に再度電話をかけてしつこく勧誘しても違法ではなさそうです。
追記
規制が強化される方向に動いているようです。(via https://twitter.com/create_clock/status/105609013818957824)
悪質な投資用マンションの勧誘に規制--。国土交通省は7月22日、「社会資本整備審議会産業分科会(第3回)及び社会資本整備審議会産業分科会不動産部会(第26回)」を開き、電話などによる悪質なマンションの勧誘に対して宅地建物取引業法で規制を強化することなどを話しあった。
部会では、委員長に中田裕康・東京大学大学院法学政治学科研究科教授を選出し、「悪質な勧誘行為について」国交省から報告があり、同省としては8月にも省令を公布し、10月上旬をめどに省令改正を実施したい意向を示した。
実は結構タイムリーなネタだったらしく、7月26日に案の公示及びパブリックコメント受付が開始され、8月24日が締め切り日です。(via https://twitter.com/taka_sagawa/status/105611888007712768)
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