さくらインターネットがデータセンタにおける6rd実現例のI-Dを提出
Ciscoとさくらインターネットが共同でさくらインターネットにおける6rdの実現例や苦労した点を簡潔に紹介したinternet draftをIETFに提出したようです。
IPv6 Rapid Deployment (6rd) in a Large Data Center Network draft-sakura-6rd-datacenter-00
ネットワークアーキテクチャ
まず、最初にさくらインターネットのネットワークアーキテクチャが紹介されています。
KVM(Kernel-based Virtual Machine)の上にゲストオペレーティングシステムを含むVPS(Virtual Private Service)メニューや、ホスティングサービス、マネージドサービスを提供しているとあります。
ドラフト執筆時点でさくらインターネットのバックボーンを流れるトラフィックは200Gbps以上で、サーバ総数は約5万であるとされています。
6rdを実現した構成としては、以下の図が紹介されています。
ホスティングやVPSを利用するユーザが各自で設定を行うことで、6rdを通じてサーバへのIPv6コネクティビティを実現できると紹介されています。
バックボーンネットワークのIPv6化における課題
IPv6スイッチングがソフトウェア処理に落ちてしまって性能が出ないスイッチが存在するので、それらをリプレースする必要があったことや、ハードウェアとしてはIPv6スイッチングが可能な能力がありつつもそれを利用するにはソフトウェアアップデートが必要な機器も存在することなども紹介されています。
その他、6rdの「IPv4 address compression」を利用するかどうかに関しての話題や、MTUに関してなどを「Deployment Consideration」として、さらりと言及してあります。
RFCになるかな。。。。
Infomationalトラックなので、運用標準などを目指しているわけではありませんが、色々と参考になるdraftだと思います。
ただし、LinuxカーネルのバージョンやFreeBSDで必要だったパッチに関する情報などは時間とともにObsoleteな情報になりますし、その他の情報もあまりにさくらインターネットにspecific過ぎるのと、あまりにあっさりしている面もあるので、現状の内容のみでRFCになるかどうかは非常に微妙かも知れません。
とはいえ、こういった形でInternet Draftが提出されることによって「さくらインターネット」というブランドが世界的に発信される方向に向かっているのは凄いなぁと思いました。
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