日本でブロッキングが開始
本日、日本でブロッキングが開始したようです。
昨年時点でのブロッキング開始までの経緯は以前「日本におけるブロッキング」としてまとめたので興味がある方はご覧下さい。
個人的に興味があるのは、児童ポルノブロッキングとして開始されるブロッキングの範囲が今後広まるか広まらないかに関してです。
昨年、安心ネットづくり促進協議会児童ポルノ対策部会法的問題検討サブワーキンググループが公表した「児童ポルノ対策作業部会 中間発表 法的問題検討の報告」という報告書の6ページに以下のようにあります。
通信当事者の同意を得ることなく通信の秘密を侵した場合、原則として電気通信事業法に違反するものとして、違法性が認められる。しかし、正当防衛(刑法第36条)・緊急避難(刑法第37条)に当たる場合や正当行為(刑法第35条)に当たる場合など違法性阻却事由がある場合には、例外的に通信の秘密を侵すことが許容されることになる。
このように違法性阻却事由がある場合には通信の秘密を侵すことが許容されるとありますが、児童ポルノに対するブロッキングは「緊急避難」という違法性阻却事由が成立するので通信の秘密を犯す事が許容されるという判断がされています。
同様に、たとえば「震災後の流言飛語の防止は緊急避難にあたるのでブロッキングの対象とすべし」と、今後なる可能性があるのかどうかという点に興味があります。 なお、参考までに、今回の震災で「行政機関から削除等対応の要請を受けた情報」の一部として以下のようなものが公開されています。
「社団法人テレコム協会: 東日本大震災に係るインターネット上の流言飛語への対応に関する情報提供」
とはいえ、現時点でのブロッキングはDNSブロッキングであり、技術的には回避可能であると同時に何がブロッキングされているのかが外部から観測可能です。
ブロッキング等によってインターネット上に流れるものを制御するという流れは世界的なものであり、今後はブロッキングやフィルタリングの技術が向上するのだろうと思います。 様々な要素が関連し、各国事情に応じて「その国のインターネット」というものが鮮明になっていくのだろうと思った今日この頃です。
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