一目でわかるFacebookとGoogleの違い
ここ数ヶ月ぐらいFacebookとGoogleの違いに関して考察することが流行ってるようなので、BGP的な視点でのFacebookとGoogleの違いをまとめてみました。 この図は、UCLAのCyclopsによるデータから得たBGP的な接続に関する情報をPowerPointで描いたものです。
「何かが違うのは一目でわかるけど何を言ってるんだか良くわからない」という反応が多数出ることが予測されますが、とりあえず気にせず作成した図を公開してみることにしました。
一言で表現すると巨大なスタブです。
タイトルに「一目で」と書いてしまったこともあり、あまり細かい説明を入れるのは野暮だと思うので、とりあえず細かい話は割愛しますが、いくつかこの図では表現しにくい「規模感」だけ追記しておきます。
Googleは多くのASと直接ピアリングをしているため、外部に出ないBGP経路が非常に多いと推測されます。 この図はBGPのフルルート情報から作成しているため、外部に出ていない経路は掲載されていません。 なので、恐らく、この図に掲載されているBGP的な接続は氷山の一角でしかありません。
企業としてのGoogle(図の点線内が企業としてのGoogle)は世界一巨大なスタブと言えそうです。 しかし、ASとしてのGoogle(AS 15169)は、買収した企業(orサービス?)などにトランジットを提供しています。
YouTube(AS 36561)のトランジットとしてGoogleが排出するインターネットトラフィックは膨大です。 Google Global Cacheという自社専用のキャッシュを世界中のISP内に設置し、それを含めると最大で世界全体の12%のインターネットトラフィックはGoogleが排出しているという予測結果が昨年10月に公表されました(参考)。 それによると、GoogleがISPであれば世界2位の規模(1位はLevel 3か?)だそうです。 インターネットトラフィックという視点だけで見た時には、NTT(2007年のランキングでは世界5位)やAT&TやVerizonよりも「巨大」であるということのようです。 (なお、Akamaiは最大で世界の約30%のWebトラフィックを配信していると発表していますが、世界中のAS内に分散しているのでランキング上位にはなってないです。話を恐ろしく単純化してザックリとパーセンテージだけで考えると、GoogleとAkamaiの2社で全世界の半分のインターネットトラフィックを生成するような日が数年以内に来るかも知れないですね。)
この図は、ごちゃっとしてしまっていますが、本来ならばサービス(というか経路)毎にBGP接続図を分けたりすべきなのかも知れません。 たとえば、Google Public DNS用と思われる経路だけで図を作ったり、YouTube向けと思われる経路だけで図を作ったりすれば、もうちょっとスッキリとした図になりそうです。
(*) 図中に「Google China」とあるのは、実際はGoogleのWebサイトを運営する「Beijing Gu Xiang Information Technology Co. Ltd.」です。
Hurricane Electric
余談ですけど、最近Hurricane Electricの存在感が恐ろしく上昇してる気がします(IPv6関連で前から存在感はありましたけど)。
FacebookとGoogleの両方のproviderとしてHurricane Electricの名前が出ています。 Google側のHurricane ElectricはGoogle Public DNS関連かも知れません。
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