【電子出版】Kindleでイタリアとスペインでも電子書籍を販売可能に
AmazonのKindle Direct Publishingを利用してイタリアとスペインで電子書籍を売れるようになりました。 日本からKindle Direct Publishingも使えるので、日本にいながらにしてイタリアやスペインで電子出版が可能となりました(それらの国の言語で売り物になる文章を書けるかどうかの問題は別として)。 著者が最大70%のロイヤリティを受け取れるのがKindle Direct Publishingの利点の一つですが、その販売網が今回さらに拡大された形です。
- Kindle Direct Publishing Now Available for the Amazon.it Kindle Store - Authors and publishers can now earn up to 70% royalty on sales to Kindle customers in Italy
- Kindle Direct Publishing Now Available for the Amazon.es Kindle Store - Authors and publishers can now earn up to 70% royalty on sales to Kindle customers in Spain
これまで、Kindle Direct Publishingを利用してアメリカ、イギリス、フランス、ドイツでの販売が可能でしたが、今回イタリアとスペインが加わり最大6カ国での販売ができるようになりました。 著者は、各書籍に関してどの国で販売を許可するか選べるので、特定の国だけのバージョンを作ることも可能です。
日本語で書かれた雑誌を英語化してKindle Direct Publishing上で電子出版する取り組みに関わっていることもあり、どうなっているのか確認したのですが、販売先にイタリア(amazon.it)とスペイン(amazon.es)が加わっていることを確認しました。
これからもどんどんKindle Direct Publishingによる販売網は広がっていくものと思われますが、世界中の書籍が一度Amazonという私企業を経由する構造が構築されつつあると思うと、Amazonの巨大さを感じます。
さらに、販売網が広がるというのは供給者である著者も同プラットフォーム上で増えるということであり、長期的に見れば各国の著者としては競争相手が増えることで著作が埋もれる可能性がより高くなりそうです。 たとえば、今は日本向けに海外から書籍を作るハードルというのは高いと言えますが、Kindle Direct Publishingが日本にも進出したら、海外の著者が日本語で安い電子書籍を出す可能性もあります。 「世界に向けて誰でも電子書籍を販売できる」というのは、逆の考え方をすると「世界中の誰もが特定の国向けに電子書籍を販売できる」という意味でもあるんですよね。
そのように著者が爆発的に増えて、それこそ「世界と競争」しなければならない状況になれば、各書籍が埋もれる度合いも今よりも激しくなり、ベストセラーとそうでないものの売れ行きの差がいまよりもさらに拡大するかも知れないとも思います。 要は、メリットもあればデメリットもありそうだというだけの話ではありますが。
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