「IPv6導入時に注意すべき課題」が公開
IPv6普及・高度化推進協議会から9月30日に「IPv6導入時に注意すべき課題」が公開されていました。
この資料は、タイトルの通り、IPv6導入時に注意すべき課題がリストアップされています。 課題が何故発生するのかに加えて、「IPv6特有の課題であるか?」や、「対処方法」が簡潔に紹介されています。 参考文献が各項目毎に書かれているのもありがたいです。
この資料の「はじめに」に以下のように書かれています。
本文書では、v6fix swg 参加メンバにより検討した技術課題をリストアップし、課題の内容を紹介しています。課題の解決方法や対処方法は、導入環境により変わってくるため、課題自体の共有に主を置いています。IPv6 を導入する際や、IPv6サービス提供の際の参考になれば幸いです。
リストアップを趣旨としているので、それぞれの項目はあまり長い文章ではなく、全体をさっと目を通す事も可能な作りになっています。
目次
目次は以下のようになっています。 目次だけでも、かなり有用だと思いました。
- はじめに
- IPv6 からIPv4 へのフォールバックに関する課題
- DNS の問い合わせに関する課題
- キャプティブポータルとDNSに関する課題(ホテルでのIPv6 uninstall問題)
- 品質の悪いトンネルに関する課題 - 移行技術関連(6to4, Teredo)
- デュアルスタックサイトのプロトコル別品質
- アドレス選択に関する課題(マルチプレフィックスに関する課題)
- IPv6 ブリッジ機能(IPv6 パススルー機能) サポートのみで「IPv6対応ルータ」であると誤認識されていることに関する課題
- 「IPv6 対応ルータ」におけるブリッジ・フィルタに関する課題
- DNS への登録に関する課題
- セキュリティ: フィルタリングに関する課題
- メールシステムの対応状況
- 迷惑メール対策: MTAの逆引きとの関連
- 迷惑メール対策: グレイリスティング
- 迷惑メール対策: ブラックリストデータベースサービス(DNSBL)
- アクセス回線におけるトラブルの切り分け
- L2 マルチキャスト未対応機器の存在
- IPv6 マルチキャストが宅内通信に悪影響を与えることに関する課題
- アドレス表記に起因する課題
- 実装としてのミニマムスペックがないことに関する課題
- 一時アドレス(RFC4941) の利用
- IPv6 アドレスのトレーサビリティ
- CGN, トランスレーションに関する課題
- 誤解されそうな表現、古い情報の共有
- IPv4 で複数サブネットを利用している環境へのIPv6 導入
- L2 ネットワークとIPv6
- PMTUD BlackHole に関する課題
- CPE の独自ドメインを解決できないことに関する課題
- IRR ヘの登録に関する課題
- DNS レコードの登録数とOS の動作に関する課題
- サイトの見え方に関する課題
ネットワークに関わる方々は是非ご覧になることをお勧めしたいと思います。
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