AkamaiがP2Pサービスを発表(4)
このような発表は、過去にも行われていました。 最近では、2009年4月に以下の文を含むプレスリリースが出ています。
Since the Akamai HD Network was launched in September 2009, Akamai customers have reported seeing solid business value from using Akamai's new delivery capabilities, including longer viewing times, increased audience sizes, fast start up times, and improved customer retention. Measurable benefits seen by customers delivering content across the Akamai HD Network include:
- Longer viewing times. When higher bitrates are offered, customers are finding that user viewing times increase by 30 to 50 percent.
...
たしかに、ブロックノイズだらけの低品質映像では、あまり見る気がしません。 しかし、恐らく「最低限の品質」と「これ以上高品質にしてもしなくても良い十分な品質」という概念もありそうな気がしてます。 単純に映像品質を上昇させた分だけ、より視聴者の興味が持続すると言えるかどうかに関しては、ちょっとわからないと思いました。
さらに考えると、これは高ビットレートでの映像受信が可能な環境を整備することが出来る人だから視聴時間が長いという可能性も捨てきれない気がしてます。 純粋に同じ人でもビットレートが高い方が興味が続くのかに関しての研究結果などがあると面白そうです。
なお、似たようなプレス発表として、2006年にAkamaiが「表示に4秒以上かかると顧客の75%が購買意欲を失う」という内容を公表していました。 それを受けたBBCの記事が「BBC NEWS : Websites face four-second cut-off」です。
こういう、1ホップ行くと「だからAkamaiサービスが必要」となるような調査結果を公表するのが非常に上手だと思いました。
最後に
非常に面白い発表だったと思います。 会社形態の変化も好調さを物語っている風にも見えますし、P2Pオプションをコマース用に積極採用していくというのも「時代の流れかなぁ」と思えました。
世界最強のCDN網を持つAkamaiでさえも、今後のビデオトラフィック爆発を乗り切るにはP2P技術が必要であると考えているのではないかと思えました。 世界中に設置された7万3000台のAkamaiサーバだけでは、今は大丈夫でも将来的に苦しくなるとの予想かも知れません(去年4月には4万台と言ってたのが7万3千まで1年で増えてるんですけど。。。)。
なお、その日の午後に開催された「2010アカマイ カスタマ カンファレンス」で、プレス発表とほぼ同じ内容が発表されていたようです。 それをTwitterとTwitPicで中継している方がいて、さらにそれをTogetterでまとめている方がいらしたので、URLを貼付けておきます。
「Togetter - @ar1 氏による Akamaiカンファレンスフォトストリーム」
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この前JANOG26で、ビデオトラフィック激増とISPによる従量課金に関して発表しましたが(JANOG26「従量課金に関する妄想」発表資料)、背景としては関連要素なのかもと思いました。
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