家庭用ルータのIPv6対応ってどうなるの?
「IPv6普及・高度化推進協議会:IPv6家庭用ルータガイドライン(2.0版 2010年7月29日発行)」が公開されています。 家庭用ルータ実装に関わっているエンジニアの方々は是非ご覧下さい。
IANAのIPv4アドレスプールも残り約4%ですし(参考:IPv4アドレス残り約6%、実質約4% & 結局IPv6ってどうなのよ?!)、日本でも来年4月頃から様々なISPがIPv6一般サービスを開始しそうです。 IPv6はIPv4アドレス枯渇そのものに対する直接的な解決にはなりませんが、インターネットを継続的に成長させながら利用するには長期的にはIPv6への移行が重要です。 また、世界中で着々とIPv6への移行準備が進みつつあります。
しかし、日本のインターネットにおいて非常に重要な役割を担っているSOHOルータのIPv6対応方法に関してのノウハウは現時点では誰も持っていないと推測されます。 そのような課題に対処するため、IPv6普及・高度化推進協議会がまとめたのが「IPv6家庭用ルータガイドライン」です。
このガイドラインの第一版は約1年前に発行されましたが、今回の第二版は「アドレス利用の考察追加、ユーザインターフェース追加、検討機能への連番付与」が行われたようです。
個人的な感想として、今回追加された「アドレス利用の考察」は非常に興味深かったです。 まず、考察は以下のような節で開始されています。
1.4.3 アドレス/プレフィックスに関する考察
IPv6 接続サービスにおける接続形態に関して、一般的な手法は明確になっておらず、サービス提供者により異なることが想定される。本節において、サービス提供者が取りうるアドレス/プレフィックスの割り当て手法の整理と、宅内通信で利用するアドレスに関しての整理を行う。
ISPがどのような方式でプレフィックス割り当てを行う可能性があるのかや、家庭内LANで宅内通信で使用するアドレスに関する注意点(IPv6グローバルアドレス、IPv6リンクローカルアドレス、IPv6 ULA)が説明されています。 SOHOルータの組み込みエンジニアの方々は家電メーカのエンジニアである事が多く、ISPのエンジニアとの直接的な交流がない方々も多そうなので、このような情報の公開は重要であると思います。
家庭用ルータを実装する組み込みエンジニアの方々によるIPv6対応には、非常に多くの困難が待ち構えているように見えるガイドラインです。。。
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