もし本当ならひどい

2010/10/7

ソーシャルメディアの発展とともに一般ユーザが一次情報に近い情報を扱うような状況が増えています。 同時に、一次情報っぽい情報を他人に積極的に伝えるというスタイルも増加しています。

昔から2chなどで「内部情報」と言いつつデマが流れることは良くありましたが、最近は、それらを拾って来てTwitterなどで再配信されることもあります。 同じ「情報」ではありますが、2chで掲載されるのと、その他の個人媒体で再配信されるのは結構違うというのが感想です。(ブログでの2ch情報再配信は昔からありますが、文字制限がキツいTwitterでは結果として情報の出所がロンダリングされてるイメージがあります。)

アカウントという形で個人が可視化されるソーシャルメディアによって伝えられて行く「情報」は、全員が匿名の2chとは多少扱われ方が異なっているというのが私の感想です。 ソーシャルメディアでは、発言を行っている「人」がアカウントとして識別可能なので、そのアカウントを経由して発言された事に対して、「信頼性」が担保されているような状況が生まれます。

そのような状況で、「もし本当ならひどい」と一言付け加えつつ真偽が不明確な情報を拡散させる行為って今後はどうやって扱われて行くのだろうというのが最近の興味です。 これは、TwitterでReTweetするだけではなく、各種ソーシャルブックマークを含めてですが、「本当かどうかわからない」といいつつ、結果として情報を伝播させたり拡散させたりすることに協力していることになります。

たとえば、執筆を主な生業としているような職業の人々が、真偽が全く不明な書き込みを見て「本当ならばひどい」という感じの発言を数万人に向けて発信しているような事例もあります。 紙メディアやネットメディア上などで実際に原稿を書く場合には、恐らくそういったことはやらないだろうと思いますが、ソーシャルメディア上だからまあいいや的な「ノリ」が存在している気がします。 今回のような文章を書きつつも、私自身もTwitter上で良く調べないで油断しながら書き込みを続けていることは否めません。

現時点では、読者側でも、紙メディアやネットメディア上の記事ではない、ソーシャルメディアの個人ユーザアカウント発の情報に関しては「ネット上の真偽は読者側が判断」という傾向が強くなっています。 そもそも、ソーシャルメディア上は直感的な「感想」を書く場であるという意識もあるかも知れません。

恐らく、そのような「空気感」の上で「もし本当ならば」という発言が繰り返されているものと推測しています。

とはいえ、テレビや新聞などでの容疑者報道と同じような話だといえばそうかも知れないので、情報が伝播する際に発生する根源的な傾向なのかも知れないと思わなくもない今日この頃です。

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