コンテキスト流通

2008/9/4-1

ブログを書くときに非常に大きな要素となるのが「何について書くか」です。 この書く「ネタ」で良いものが発見できれば、筆も走ります。 一方で、何について書くか悩んでいる間は一歩も前へ進みません。

ここでは、「何について書くか」を「コンテキスト(context)」と呼んでみました。 多くの場合、ブログを書くためのコンテキストは自分で産み出すものではなく、どこかから降ってきたものです。 例えば、テレビ、雑誌、プレスリリース、ソーシャルブックマーク、大手Webサイト、個人ブログ記事などがコンテキストの産地として一般的です。 (自分が遭遇した事件や知人と話をしていて湧いてくる話題というものもありますが、今回はコンテキストを産み出している、又は流通させている媒体に関して着目しました。)

以下、コンテキストを産み出している各種媒体を分類してみました。 中には、それぞれの性格を併せ持つ媒体もありそうです。

1. 農耕コンテキスト

各種プレスリリースがこれにあたると思われます。 種を蒔き、水と肥料を与えて育て、害虫を駆除し、出来上がった果実を出荷します。

出来上がったものは、製品情報/サービス/研究成果などが一般的かもしれません。

そのプレスリリースが他のコンテキスト流通業者の手に渡り、大きく伝播されることによって、成果物が話題となりコンテキストを産み出します。

2. 中間流通コンテキスト

情報を受け付けて、それらをまとめて発信する媒体を「中間流通コンテキスト」と呼んでみました。 例えば、各種プレスリリースやIR情報を受け付けて、取捨選択しながら出すものを選ぶような立場のメディアがこのようなコンテキストの産み出しかたをしていると思われます。

3. 烏賊漁船コンテキスト

Web2.0的なソーシャルブックマーク的思想におけるコンテキストは農耕コンテキストとは多少異なります。 私が思いついたアナロジーとしては、夜の海で非常に明るい明かりを照らしてイカを呼び寄せて網で掬い上げる漁船です。

強い光を海面にあてていると大量のイカが吸い寄せられるように寄ってきます。 集まったイカを捕まえるために、漁船は海に網を入れます。

漁船は、そこで捕まえた大量のイカを直売することもありますし、市場へと運ぶこともあります。

4. 市場コンテキスト

Web2.0的ソーシャルニュースサイトは、イカが運ばれてくる市場に近いのかも知れません。

大量の海産物が市場に並べられ、入場権を持つ人々によって競りにかけられます。 人気がある海産物には大量の人が集まり、値段が高騰する一方で、人気が無い海産物はあまり注目されることがありません。

5. レストランコンテキスト

個人ニュースサイトや、ニュースを紹介している個人ブログは、様々な産地からの素材を集めて独自の調理を施して顧客に提供するレストランに例えられそうです。

それぞれの個人サイトでは、運営者の好みや性格が反映されます。 これは、外食に小料理屋、料亭、すし屋、洋食屋、イタリアン、フレンチ、居酒屋、立ち飲み居酒屋などの違いがあるのと同じです。 提供される素材とその素材の調理方法が各サイト毎に違うのです。

そして、それぞれのサイトは素材を入荷する場所も異なっています。 市場からコンテキストを発見する場合もありますし、大手流通に乗っているものを使う場合もあります。 イカ漁船からネタを直売で購入する場合もあります。

最後に

何となくコンテキスト生成者に対応するアナロジーを考えてみました。 ちょっと強引ですかね。。。

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