Layer 0とLayer 1についてPanduitさんに聞いてきました

2008/6/12-2

今回の取材は、ちょっと変則です。 あらかじめ取材に伺い、写真はInterop 2008会場で撮影しています。 これは、Interop 2008の会場で展示されているラックなどを撮影した方が色々な機材を撮影できるためです。

Panduitさんの製品は昔からかなり大好きでした。 非常に工夫がされていて特徴があり、使いやすい製品が多いです。 例えば、本サイトの最初のコンテンツである「Ethernetケーブルを作ろう!」コーナーでサンプルとして紹介しているRJ45コネクタと圧着工具はPanduit製です。

以下、取材内容です。 「Q:」部分が質問で、それに続く文章がPanduit社ご担当者様による回答です。

Q: 最近力を入れている分野を教えて下さい

最近力を入れている分野に、ラックの高密度化とラックでの熱処理問題があります。 高密度化は昔からの課題ですが、縦空間の利用など様々な工夫をしています。

弊社では「熱」という大きな問題に対して「データセンターはどうあるべきか」という全体的な視点で考え、様々なソリューションを提案しています。

ラックは、発熱そのものを発生させるわけではないので、その中でどうするべきかを考えています。 スイッチを搭載するラックでの熱問題に関しては各社様々な取り組みを行っていますが、 弊社はケーブルに強い会社ということもあり、ラック内でのケーブルの配置とそれによる熱の流れに着目しています。

ラック内が高密度になってくると、ケーブルの取り回しをどうするかで熱の流れが大きく変化してきます。

アングル付きパッチパネル

アングルがついているパッチパネルがあります。

フラットだと発生する問題ですが、 従来のフラット型であればケーブルを処理するために配線ダクトを「タッチパネル⇒ダクト、タッチパネル⇒ダクト」としなければなりません。

そうすると、タッチパネルと配線ダクトを交互に積んでいかなければならなくなります。 これでは、スペースが無駄になってしまいます。

アングル付きパッチパネルを利用すれば、マネージメントを一切入れずにケーブル処理が可能になります。 (取材者注:アングルが付いていないとケーブルを横に曲げるときに前に出てきてドアが閉まらなくなるのだと思いました。)

マネージメントを省けるため、大量にパッチを収容できるようになります。 そのため、単位面積あたりの収容量が増えます。

ラック内縦スペース

弊社ラックでは、機材の横に縦スペースを確保しています。 例えば、観音開きのラックでも真ん中にスペースがあります。

このスペースを利用するとケーブルそのものの収まりが良くなります。 それにより、ラックと配線の問題が改善し、熱処理問題も改善します。

縦型パッチパネル

弊社では、縦のスペースを効率的に使えるようにケーブルを縦にパッチできるパッチパネルがあります。

熱処理問題

サーバラックでケーブルがぐちゃぐちゃになっていると熱問題が悪化します。 サーバの裏側にケーブルが溜まっていると、空気の流れが阻害され、熱処理がうまくいかなくなってしまいます。

弊社ラックでは、例えば、縦スペースパッチパネルによって縦スペースを有効活用し、サーバから出る熱をケーブルによって塞がないようにしています。

その他、空気の流れを制御する製品として、ラック内で使うダクトがあります。 例えば、Cisco社のスイッチだと横から吸って横から空気を吐くという熱処理を行うルータがあります。 ラックを並べて連結してしまうと、隣のルータが吐いた熱い空気を吸ってしまうような状況が発生します。

ダクトを使って空気を後ろに逃がす事により、ラック内に熱い空気が停留することを防げます。


Cisco Catalyst 6500の裏と横についたダクト

Q: その他、何か面白い物はありますか?

物理層のセキュリティにも力を入れています。

より強固なセキュリティを求めると高いコストが要求されますが、そこまでコストをかけずにちょっとしたセキュリティが求められる場合もあります。 例えば、多数ある各ケーブルへの完全なセキュリティを求めると多大なコストがかかってしまいます。 それは元々非常に難しいです。

弊社では、ちょっとしたセキュリティとして新たにジャックガードを提案しています。 これは、モジュラージャックが外れにくくできるものです。

モジュラージャックの爪の部分をガードしてしまうプラスチックの部分で爪を下げられないようにしてしまいます。 専用の工具(プラスチック製)で外します。

通りがかりの人がちょっと悪さを出来ない程度のセキュリティですが、あると便利です。









取材部分終わり

お忙しいところ、どうもありがとうざいました! 個人的に非常に面白いと思える話ばかりでした。

以下、Interop2008会場から

以下、会場での写真です。

LCコネクタの色分け

色分けされたLCコネクタ。 同じ色のところにしか挿さらないようになっています。 溝を追加してLCコネクタに「個性」を持たしています。

これにより、オペレータが間違わないようにできます。 パッチパネル側に入れるメスのLCコネクタは入れ替えられるので、パッチパネル設置者があらかじめ決めた挿しかたしかできない環境が作れます。

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