はてブコメントが偉そうだ
はてブのコメントが「偉そうだ」という事が話題になっていました。
「はてブの人たちって何でこんなに偉そうなんだ? 」
http://anond.hatelabo.jp/20080303184111
「はてブの人たちが偉そうにしている理由」
http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20080304#p2
今まで私は、はてブの方々の発言に違和感がありませんでした。 むしろ、鋭くて納得できる反論があると感動していました。 何故なんでしょうか?
色々考えた結果、このような発言方法は、自分にとって日常だったということがわかりました。 研究発表などを行って、「馬鹿じゃねぇ!」とか「こんなのカスだ!」という発言から始まり、ボロボロに粗を指摘された事もあります。 そして、その指摘はほぼ全て正しいです。
そのような発言をする方にも非常に大きなリスクがあります。 「カス!」と叫んだ直後に、自分の指摘がカスだった場合、発言はそのまま倍返しで帰ってきます。 そのようにならないために、研究発表においては確実に指摘する方が正しいとわかっている場合にのみ、最上級の攻撃呪文が発動されるような気がします。
はてブに上がってくる話題などを見ていると、ユーザの多くがエンジニア/理系出身者/何らかのIT職人だと思われます。 今はエンジニアじゃなくても、何らかの形で技術を磨いた経験がある人が多いと思います。 そのような人達にとって議論は白黒である場合が多く、そして、論理的である事が真理だと信じている人が多いです。 実生活での職人気質がブクマ米にそのまま反映されているのだと思います。
ブックマークコメントを受け取る方から見ると、はてブのコメントは新しい視点かも知れませんが、コメントを記述するそれぞれの人たちが信じる「真実」の断片である事も事実です。 そのため、多少きつめな事が書いてあると、私はそれを誘導した自分の文章に原因を求める場合もあります。 ただ、全体のコメントの流れを見ていて、あまりに特異である意見は例外(exception)だと思うようにしています。 全体の流れに反してネガティブな事を書いている人は、書かれた方ではなく、書いている人が「イタイ人」と回りに白い目で見られているだけである場合が多いです。
こんな自分はエンジニア的空気に染まっていると思います。
今回のように、「偉そう」だと言う意見が盛り上がるのは、はてブユーザの層が広がってきた証拠ではないかとも思います。 多くのプログラマやエンジニアには違和感が無い会話であっても、そうではない人には「偉そうだよね」と映るのは当然だと思います。
はてブのネガティブコメントと向き合う必要性
日本人は意見を言うのが苦手であるとよく言われる事があります。 確かに、議論が苦手な人を見ることがあります。
オープンソースプロジェクトや標準化会議や学会などを見ていると、外国人の議論は率直である事が多いです。 その中に入り込むには、自分も率直になる必要があります。 何かに関して議論する時、白であるか黒であるかを理論的に反論できない人の意見は敗退します。
はてブは日本にありながら、率直な意見が出る場所であると思います。 そして、率直な議論の中で理論的であるかどうかが重要になります。 (ブログという公開の場で議論を行う場合も同様です。)
主張が本当に真実かどうかはさておき、より多くの人々を感化して、自分の意見に引き込めた人が議論に勝つものです。 特定の記事に対して、ネガティブな意見が多くつくということは、それだけマジョリティを感化できていない証拠だと思われます。 それは、表現が誤解されている場合もありますし、自分が間違っている場合もあります。 どちらも反省をして出直せば、プラスになります。
ただし、そもそも反対意見しか出ないような議論というものもあります。 反対と賛成が入り混じって、最後まで結果が出ない事もあります。 そして、反対意見が多いものは事実ではないというわけでもありません。 「地球は丸い」と言っても信じてもらえなかった人も昔はいました。
「真実だけど、感化できない」という状況の場合、どうやったら多くの人を感化できるかの策を練り、徐々に外堀を埋めていく手法を取るしかないのかも知れないとは思います。
どちらにせよ、ネガティブな意見が多く出るというのは、それだけで重要なフィードバックではあると思うので、そのフィードバックは使いようによっては活かせると思う今日この頃です。 (なお、わざとネガティブなフィードバックを集めてPVを稼ぐという、超プロ技も存在するようです。)
最後に
偉そうな奇麗事を並べ立てた文章を書いてしまい、ごめんなさい。
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