生々しい製品紹介を読みたい

2007/7/11

様々な製品やサービスの開発社インタビューが雑誌やネットに載っていることがあります。 ですが、インタビューに答えているのは大抵偉い人かマーケッティング担当者か企画担当者です。 そして、インタビュー内容は製品に関する性能や、狙ったマーケット、聞こえの良い表向きの苦労ポイントなどです。

それらを読んでいると、何か物足りません。 もっと生々しい、執念のこもったような、そんなインタビュー記事を読んでみたいと思ってしまいます。

現場には無数の無名エンジニアがいるはずです。 使う人が誰も気に留めないような、ちょっとした機能を作った人の苦労を聞いてみたいような気がします。 外注先がコケて現場が騒然となった話を読んでみたいと思います。 締め切りに間に合わない状況になって土日も関係なく、ひたすら苦労した現場の修羅場具合を知りたいと思います。 例えば、オンラインサービスであれば、一つの画面が出来上がるまでの社内闘争を覗いてみたいです。 例えば、電気製品であれば、その無機物の塊が多くの人の血と汗の結晶である事が伝わる、ドロドロな話を聞きたいです。

社長と開発者が同じ人である海外のベンチャーなどであれば、何となく成功した後に笑顔の写真と一緒に「あの時は大変だったんだよ」というインタビューが書いてあることがあります。 ですが、読みたいのはもっと違うものです。 成功する前の、製品がリリースされるときの説明の中での開発苦労話です。

メディア対応が上手なマーケティング担当者ではなく、表に出して当たり障りがありそうな、バリバリの現場ハッカー(not cracker)のインタビューを読みたいです。 インタビューでの質問に対する回答がズレまくっていてもかまいません。 開発環境のこだわりとか、使ったキーボードへの愛着とか、cvsにするかsubversionにするかで悩んだ話とか、一般の人にとってはどうでもよさそうな、そんな現場のこだわりを聞いてみたいです。

そういった、無数の無名エンジニアによる影の部分の苦労や、執念が表舞台に出る事が少なければ、いつまで経ってもエンジニアは「まあ、誰でも同じだろう」というような目で見られてしまう気がしてしまいます。 結局そのような舞台裏のどろどろした部分を表に見せて売り上げが上昇するわけではなければ、やる意味もないでしょうし、まあ、単なる現場的発想なのかも知れませんが。 さらに、そこらへんのノウハウこそが差別化要因であるので外には出したくないという話もあるかも知れません。

実現可能性は限りなく低いしやる意味もなさそうだと自分で書いていて思います。 ですが、一度そのようなぶっ飛んだインタビューを読んでみたいなぁと。。。

お店に並ぶ色々な製品や、ネット上で発表されるサービスを見て「作るの大変だったんだろうなぁ」と思わず思ってしまう事が多い今日この頃でした。

最近のエントリ

過去記事

過去記事一覧

IPv6基礎検定

YouTubeチャンネルやってます!