Web2.0の落とし穴

2006/12/5

What's Wrong with Web 2.0? - Bubble, What bubble ? -」という記事がありました。 面白かったので要約します。 かなりの皮肉がまじった記事でした。 誤訳などの可能性があるので、詳細は原文を参照して下さい。 以下要約ですが、かなり意訳してます。


あと必要なのはユーザだけだ (User driven content: Now all we need is users)

Web2.0は、ユーザによる何らかのソーシャルな部分がある事が本質です。 これは、例えばユーザがコンテンツを作成したり、ブログを書いたりコメントをつけたりする事です。

いくつかのサイトは全てをユーザに依存しています。 例えば、Digg.comは完全にユーザに依存しています。 誰もリンクを登録しなければDiggは存在し得ません。

このようなユーザに依存しきったサイトは、ユーザが興味を示してくれなかったという理由のみで消滅していきます。 Web2.0の失敗者の多くは力の無い人たちです。 ベンチャーキャピタルがバックについていない、少ない資源、マーケティング資金不足、宣伝用コネ不足などです。

毎日のようにすばらしいアイディアを耳にしますが、1年後に有名になって残っているサイトはいくつあるでしょうか?

模倣は革新ではない (Imitation is not innovation)

Web 2.0は物まねやクローンで溢れています。 コピーされるのは最も成功してるサイトです。 Diggのモノマネサイトはそこらじゅうに溢れています。 Netscapeのような有名企業でさえDiggのようなソーシャルニュース形式を採用しました。

これらのクローン生成はオープンソースソフトにより実現している場合があります。 DiggのクローンとしてはPliggが有名です。 いつもはこのようなソフトウェア解放活動には賛成していますが、残念ながら多くのユーザと多くのトラフィックを持っていなければ失敗します。

成功をするには自分で革新的なものを作り上げるしかありません。 もし、オープンソースソフトのような近道が既に存在しているのであれば、同様の事をしている数百のサイトと同じユーザ層を奪い合うことになります。

ネットイナゴ (Maddening crowd)

ユーザ数が少なすぎる事よりも、多すぎる事の方が問題になるかも知れません。 Web2.0の新し物好きな人の多くは論理的に説得が可能です。 しかし、ユーザ数が爆発するとユーザの平均IQも急落します。

例えば、当初のDiggは非常に技術志向でした。 Diggに投稿される記事やコメントがそれを反映していました。 しかし、Diggが巨大化するとともに書き込みの品質が著しく低下しました。

YouTubeで非常に興味深いのは、ビデオの信憑性を疑う人が非常に多い事です。 これは、lonelygirl15事件に幻滅させられた人が楽しいビデオに片っ端から「やらせだ!(FAKE !)」と叫んでいるのかも知れません。

ユーザ数が多くなるとどのようなサイトでもモラルの平均値が下がってしまうのは悲しい事です。 証拠が欲しいって? MySpaceにログインしてみてください。

応答性 (Good lord, it's made of people!)

HTML創世記からサイトにとって大切だった事にユーザエクスペリエンスが挙げられます。 AkamaiとJuniperResearchによると、Webサイトは4秒以内に反応しないと満足されないそうです。 それ以上遅いと、サイトのエクスペリエンスに悪影響を及ぼすそうです。

非常にトラフィックの多いサイトにとってはそのようなレスポンスタイムを実現するのは困難かもしれません。 Diggでは欲しいページを表示するのに10秒かかるときがありますし、MySpaceでは欲しいページを出すまで数分かかる場合もあります。 彼らは自らの成功による犠牲者になってしまっています。 最も有名なサイトでさえ、そのようなユーザエクスペリエンスになってしまうのに、新規参入者はどうなってしまうのでしょうか?

結局、新規参入者はコミュニティもマーケティング資金もなく、成功しているサイトは莫大なトラフィックに押しつぶされそうになっています。

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