RSS全文配信/部分配信

RSSに本文を含むかどうか、含む場合は部分配信にするのか全文配信にするのか、これは非常に悩ましい問題です。 ここでは、RSSのCDATA部分に本文を含むことに関して考察します。

RSS全文配信のメリット

読者が喜ぶ

RSS全文配信をする利点として一番大きいのが「読者が喜ぶ」ことではないでしょうか。 RSSリーダーを利用しているユーザにとっては、RSS全文配信をしているサイトは非常に読みやすいです。 他のブログと同時に読むことが容易になり、邪魔な広告も掲載されません。 ただ、これは広告で収入を得たいサイト運営者にとってはデメリットとなります。

読者が増えやすくなる

「読者が喜ぶ」ことによって、「読者が増えやすくなる」という可能性があります。 なお、この点に関して疑問を呈する意見もあります。

サーバの負荷が軽減される

Web型RSSリーダーなどは、RSSを一度取るだけでデータをキャッシュします。 数千、数万、それ以上の読者を束ねるWeb型RSSリーダーは、それだけの負荷を吸収してくれます。 ただし、購読者数が負荷になるほど多く、Web型RSSリーダーが負荷分散をしてくれると嬉しいという特殊な場合でしかこのメリットは発生しません。

はてブの関連記事に掲載されるようになる

Hatenaブックマークの「このエントリーを含むほかのエントリー」に表示されるようになります。 (部分配信でも同様です)

詳しくは、「このエントリーを含むほかのエントリー」の表示についてをご覧下さい。

各種ランキングに有利になる可能性あり

全文配信を行っている事によって、RSSリーダーで購読する人が増えると、各種ランキングに有利になる可能性があります。 特にWeb型RSSリーダーを使っている人がRSSを登録してくれると、集約された「購読者数」が上昇します。 Web型RSSリーダーが提供している「購読者数」をブログランキングの指標に使っているサービスでは、RSS購読者数が多いほどランキングには有利となります。

RSS全文配信のデメリット

PVが減る

PV(ページビュー/表示回数)が減少します。 「PVが減ると収益が減るのは嘘」という意見もありますが、現状ではまだまだPVベースで語られる事も多く、PVが減る事のデメリットは大きいのではないでしょうか。 例えば、サイトの規模を語るときにはPVベースで語られる事が未だに非常に多いです。

広告収入が減る

PVが減るのと同義ですが、広告の表示回数が減少します。 広告の表示回数が減るので広告収入が減少します。 広告がクリックされなくなることによる減少と、Per Viewの広告費が減少する2通りがあり得ます。 なお、Amazonリンクなど本文に含まれるアフィリエイトリンクは、そのままRSS中で配信されていれば有効に機能します。

スパムに利用されやすくなる

RSSを全文配信していると、スパムサイトに利用されやすくなるようです。 昨今、検索エンジンスパムも巧妙化しています。 適度に分散された文字列とリンクを含んでいないブログは検索エンジンから相手にされません。 そのため、スパマーもあの手この手で「それっぽく見えるコンテンツ」を作ろうとします。 RSS全文配信をしているブログは、非常に扱いやすい文章ジェネレータと化しています。

なお、スパムに利用される点はデメリットではありますが、「意図せずにリンク数が増える」という状況を誘発しているという考え方もあり、「いや、これはメリットなのだ」と無理矢理自分に言い聞かせることも可能なのかも知れません。 ただし、その「リンク」に意味があるのかどうかは不明です。

全文配信か部分配信か

部分配信であれば、途中まで読んで面白ければ表示してもらえる分だけPVは上昇しやすくなります。 ただ、部分配信だと「ケチ」と思うようなユーザも存在しているので注意しましょう。

デメリットに関して

RSS全文配信することのデメリットは実は大した問題ではないという考え方もあります。

PVが関係ない広告

サイト本体へのアクセスだけが収入の道というわけではありません。

Amazonアソシエイトへのリンクなど、RSSで読まれようがサイトで読まれようが関係の無い収入の道というものもあります。 また、記事を書く事で一定の収入を得られる手法や、RSS自体に広告を入れるためのサービスを利用するという手法もあります。

PCで表示されたときにのみ収入が発生する広告のみに固執し過ぎないように気をつけましょう。 PV以外でも、思わぬ手法で収入を収入を得られることもあるかも知れません。

RSSを使うような人はどうせ広告をクリックしない

RSSを使うようなブログ慣れしたタイプの人の多くは広告に興味を示しません。 広告であることを知っているため、自動的に視界から広告部分を排除してしまっていることが多いと予想されます。 ただし、PVベースの広告による収入は減ります。

RSSはさほど普及していない

RSSはIT系の業界以外ではあまり普及していません。 IT系読者が少ないようなブログでは、そもそもRSSを使っている読者数等をあまり気にしなくても良いのかも知れません。

RSSがRSSであるということを意識しなければ使えないうちは、恐らく普及しないと思われます。 ただ、今後裏で勝手にRSSが使われているような、自然なサービスやインターフェースが登場すれば、結果的にRSS利用者数が激増する可能性もあります。

RSSを使うようなヘビーユーザに読んでもらった方が良い

RSSを使っているようなヘビーユーザは、独自にブログを書いたり、個人ニュースサイトを運営しているような「影響力」のあるインフルエンサーである可能性があり、そのような方々に読んでもらうためには、RSS全文配信が良いのかも知れません。 その人から直接広告などの収益を挙げられなくても、その人が紹介してくれたことによって、より大きな成果が発生する可能性もあり得ます。

どっちでやっているか

私はRSSを全文配信しています。

「それを希望する読者がいたから」というのが最大の理由です。 自分が反対の立場だったら、恐らく全文配信して欲しいと考えるだろうと思ったので、全文配信にしてみました。 PVは結構減りましたが、あまり気にしないことにしています。

RSSを全文配信にしてみて、個人的に良かったと思う点としては「実験の場が増えた」事が挙げられます。 RSSのCDATA部分にソーシャルブックマーク用アイコンを入れてみたり、コメント欄をRSS化してみたり、色々とやってみています。

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