ビデオ入力デバイスからの映像を表示する
ここでは、ビデオカメラ(デスクトップカメラ、DVカメラなど)やTVチューナーデバイスからの映像を再生する方法を説明したいと思います。 (注意)ここの例では、サンプルを簡潔にするためにエラー処理を書いていません。
とりあえず、コードを書いてみる
まず、何も考えずに以下のコードを書いてみましょう。 このコードは、最初に発見したビデオ入力デバイスを再生します。 例えば、一番最初に発見したビデオキャプチャデバイスがアナログのテレビチューナーデバイスであった場合、テレビ映像が再生されます。 ビデオカメラを一番最初に発見した場合にはビデオカメラからの映像が再生されます。
DirectShowでは、映像入力デバイスは全て抽象化してあります。 抽象化された映像入力デバイスには「あだ名」がつけられ、その「あだ名」を使ってデバイスの選択は行われます。 映像入力デバイスの抽象化はICreateEnum、IEnumMoniker、IMonikerというインターフェースを利用して操作します。
#include <stdio.h>
#include <dshow.h>
int
main()
{
IGraphBuilder *pGraphBuilder;
ICaptureGraphBuilder2 *pCaptureGraphBuilder2;
IMediaControl *pMediaControl;
// 補足情報)英単語の日本語訳
// Enumerate : 列挙、一覧
// Moniker : あだ名
ICreateDevEnum *pCreateDevEnum = NULL;
IEnumMoniker *pEnumMoniker = NULL;
IMoniker *pMoniker = NULL;
ULONG nFetched = 0;
IBaseFilter *pDeviceFilter;
// COMを初期化
CoInitialize(NULL);
// FilterGraphを生成
CoCreateInstance(CLSID_FilterGraph,
NULL,
CLSCTX_INPROC,
IID_IGraphBuilder,
(LPVOID *)&pGraphBuilder);
// CaptureGraphBuilder2というキャプチャ用GraphBuilderを生成する
CoCreateInstance(CLSID_CaptureGraphBuilder2, NULL, CLSCTX_INPROC,
IID_ICaptureGraphBuilder2,
(LPVOID *)&pCaptureGraphBuilder2);
// FilterGraphをセットする
pCaptureGraphBuilder2->SetFiltergraph(pGraphBuilder);
// MediaControlインターフェース取得
pGraphBuilder->QueryInterface(IID_IMediaControl,
(LPVOID *)&pMediaControl);
// デバイスを列挙するためのCreateDevEnumを生成
CoCreateInstance(CLSID_SystemDeviceEnum, NULL, CLSCTX_INPROC_SERVER,
IID_ICreateDevEnum, (PVOID *)&pCreateDevEnum);
// VideoInputDeviceを列挙するためのEnumMonikerを生成
pCreateDevEnum->CreateClassEnumerator(CLSID_VideoInputDeviceCategory,
&pEnumMoniker, 0);
if (pEnumMoniker == NULL) {
// 接続された映像入力デバイスが一つも無い場合にはこのif文に入ります
printf("no device\n");
return 0;
}
// EnumMonikerをResetする
// Resetすると、先頭から数えなおします
pEnumMoniker->Reset();
// 最初のMonikerを取得
pEnumMoniker->Next(1, &pMoniker, &nFetched);
// MonkierをFilterにBindする
pMoniker->BindToObject(0, 0, IID_IBaseFilter, (void**)&pDeviceFilter );
// FilterGraphにデバイスフィルタを追加する
pGraphBuilder->AddFilter(pDeviceFilter, L"Device Filter");
// この時点でMonkier系、Enumerator系は用済み
pMoniker->Release();
pEnumMoniker->Release();
pCreateDevEnum->Release();
// Graphを生成する
pCaptureGraphBuilder2->RenderStream(&PIN_CATEGORY_PREVIEW,
NULL, pDeviceFilter, NULL, NULL);
// 再生開始
pMediaControl->Run();
// 再生中にプログラムが終わってしまわないように
MessageBox(NULL,
"Block Execution",
"Block",
MB_OK);
// 資源を解放
pMediaControl->Release();
pCaptureGraphBuilder2->Release();
pGraphBuilder->Release();
// COM終了
CoUninitialize();
return 0;
}
例の中で利用しているMessageBoxは、アプリケーションが終了してしまわないようにブロックするためにあります。 MessageBoxの「OK」ボタンをクリックすると再生は終了します。
このサンプルは最も基本的な機能だけに絞り込んでいるため、これだけでは使えません。 入力デバイスを選んだり、発見したデバイスの情報を表示したりする方法は後述したいと思います。