他人のiPadでApp Storeをクリックした少年

2015/2/13-1

この前、4月から小学生になる知人の息子が近くで遊んでました。親が近くにいないときに、次のような会話が行われました。

  • 少年「暇だから遊ぶものが欲しい。マインクラフトをやりたい。」
  • 私「残念ながら、いまここにマインクラフトは無い。」
  • 少年「iPadを持っているならマインクラフトをいますぐ買って欲しい。」
  • 私「このiPadは仕事で使っているものだからダメ。」
  • 少年「このボタンを押せばゲームを使えるようになるよ!(横からApp Storeをクリック)」
  • 私「ちょっと待って。やめなさい。」
  • 少年「ねぇ、ゲームをやらせてよーーー」

知人の子供がこのようなことを言ったうえで、ひとの持っているタブレットをいきなり操作し始めたのを見て、最初は「この子の親って。。。」という感想を持ちました。単に、その少年が信じられないぐらい図々しいだけだと思ったのです。

しかし、その後、全く別の場所でも同じようなことを主張する子供に出会って「もしかしたら、最近はそういう子供が増えているのではないか?」と思うようになってきました。大人のスマホを一時的に借りてゲームをするのが当たり前のように育っている子供も多いみたいです。しかも、子供によっては、ある程度の操作を覚えています。そう考えると、「他人の機器を触って、勝手にソフトをインストールしようとする人が増えているのは怖いなぁ」という感想に変わりました。

今回の場合は、「私のために今すぐ買え」と主張していたので、少年は、お金がかかることは認識したうえでクリックしていました。しかし、手元の機器でクリックを数回繰り返すことにお金がかかる場合があることを正しく認識できずに子供がクリックしまくることも多そうです。

近くに子供がいる状態でIT機器を放置してしまうと、すでにインストールされているものをいじりまわされる恐れがあることに関しては以前から考えていましたが、今回の事例を考えると、知らないうちにソフトウェアを勝手にインストールされるという場合もありそうです。しかも、小学生未満の子供で、当たり前のようにそれができる子供が既にいるわけです。子供が居る環境で、スマホ、タブレット、パソコンなどを操作可能な状態で机の上などに放置するのは非常に危険な行為だと再認識できる事件でした。

おそらく、いまの子供にとっては、スマホやタブレットやパソコン本体は「他人の所有物」と認識しつつも、その中身をいじくりまわすことに関しては問題とは思わないのかも知れません。そのままの感覚で大人になるとは思えませんが、操作方法は長けているけど各種経験が存在しない状態では、「できるけどやらないこと」を知らずに色々とやってしまいそうです。いわゆる「バカッター」とか「バイトテロ」と言われるような状況が、いまよりもさらに増えていく可能性も感じます。

2009年に、「情報デリカシー」という文章を書いたことがあるのですが、いまは当時よりもさらに怖い状況になりつつある気もします。やはり、インターネットやパソコンの普及とともに、世間が徐々にIT機器に慣れていった世代と、最初からそれが当たり前のように存在している世代だと色々違うのかも知れません。インターネットの普及とともに育った世代は、教習所に通ってから徐々に運転を練習して、そのうち高速道路に乗るようになるようなものですが、いまの子供世代は、やろうと思えば練習せずにいきなり高速道路で運転するような状況になってそうです。便利になって、誰でも気軽に使えるような環境が整うのって、そういうことだろうなぁという感想もあります。

年寄りの戯言っぽい話になってしまっていますが、個人的には衝撃を受ける事件でした。

p.s. この話と少しずれているかも知れませんが、South Parkの「Freemium Isn't Free」って面白いですよ(mashable: 'South Park' perfectly explains why we still hate freemium games)。

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